(2014年10月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(小米科技)がサービスと顧客情報の一部を海外のサーバーへ移管し始めた。国内市場でのインターネット通信速度とプライバシーに対する懸念をその理由に挙げている。

 この動きは、今年、利用者の個人情報を初めて中国のサーバーに保存することにした米アップルの決断と対照的だ。

グローバル展開をにらんだ措置

 シャオミのバイスプレジデントのヒューゴ・バーラ氏は自身のブログで、同社はインドやインドネシアといった市場でより多くの顧客を呼び込もうとしていることから、こうした変更が必要だったと書いた。

 「複数の場所にサーバーを置く構造への移行の主な目的は、世界中の顧客のためにサービスの性能を高め、待ち時間を削減し、アクセス失敗率を下げることだった」とバーラ氏は述べた。「これで、高いプライバシー基準を維持し、各地のデータ保護規制を遵守する態勢も改善する」

 シャオミが昨年グーグルから引き抜いたバーラ氏によると、シャオミの国外ユーザーの情報とグローバルな電子商取引サービスは今月末までに、北京からシンガポール、カリフォルニア、オレゴンのデータセンターへ移管されるという。

 多国籍ハイテク企業は長年、地元の政府当局が企業に情報提出を強制できる中国に顧客データとサービスを保存すべきか否かという問題と格闘してきた。シャオミの決断は、中国企業が今、特にグローバルな事業の構築を目指す中で同じようなジレンマに直面していることを浮き彫りにしている。

多国籍企業でも割れる対応

 アップルは今年、チャイナ・テレコム(中国電信)との提携の一環として、地元ユーザー向けのオンラインサービスのパフォーマンスを向上させるために一部の顧客データを中国のサーバーに保存していることを明らかにした。一方、インターネット検索と電子メールサービスが中国でたびたび遮断されているグーグルは、中国国内に情報を保存していない。

 10月下旬、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はセキュリティー上の問題について話し合うために、北京で中国政府高官と会談した。中国でのインターネット検閲を監視しているグレートファイアー・オルグは20日、複数のハッカーがアップルの顧客データへのアクセスを試みたと述べた。