(2014年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

レアアース輸出に積極姿勢 将来は対中輸出も 豪企業

オーストラリアのライナスが所有するマウント・ウェルド鉱山の航空写真〔AFPBB News

 米国防総省の元アドバイザーによると、中国がレアアース(希土類)の国際市場における支配を維持する可能性は低いという。ユーザーがレアアースの消費の効率性を高めるとともに、代替的な調達先を見つけたためだ。

 2010年に中国が輸出制限を課し、供給量を制限することで貿易戦争を仕掛けた後、レアアースの価格は急騰した。レアアースを採掘する鉱業会社の株価も急上昇した。

 ランタンやジスプロシウムなどのレアアースは、巡航ミサイルなどの兵器システムを含む多くの先進技術にとって欠かせない材料で、中国は当時、世界の供給量の約97%を支配していた。

 だが、それ以来、レアアースの価格は大きく下げ、米国のモリコープやオーストラリアのライナスを含む生産者の株価も急落した。

価格高騰で中国以外のサプライヤーへの投資が増加

 テキサス大学の経済学者で2010~12年に米国防総省でレアアース問題に取り組んだユージーン・ゴルツ氏は、レアアースの高い価格が中国以外のサプライヤーに対する投資を促したと言う。

 モリコープは米カリフォルニア州のレアアース鉱山で生産を再開し、ライナスは日本政府からの支援を受け、マレーシアに加工工場を開設した。

 中国以外の供給は、ランタンやプラセオジムなどの軽レアアースの方が、ジスプロシウムやユーロピウムなどの重レアアースより手に入りやすい。だが、相対的に供給量の乏しい重レアアースについては中国の輸出制限が完全な効力を発揮せず、政府の制限にもかかわらず、小規模な生産業者が他国に売り続けた。

 また、今では中国国外の加工能力が増えている。フランスのロディアは、モリコープとライナスから供給される鉱石から重レアアースを抽出することができる。

 経済性がもっと高ければ、中国以外の重レアアース生産は増える可能性がある。