(2014年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 韓国の労働法は外国からの出稼ぎ労働者への虐待を助長しているとの指摘について、韓国政府はこれを否定した。人口の急激な高齢化のために外国人労働者への依存度を近々高めなければならない可能性がある国で、移民政策を巡る緊張が浮き彫りになっている。

 人権団体のアムネスティ・インターナショナルは20日、韓国農業セクターの外国人労働者に関する報告書を公表し、韓国政府は「搾取のための人身取引や強制労働がはびこることを可能にする恥ずべきシステム」を作り出していると批判した。

アムネスティ・インターナショナルが「恥ずべきシステム」と批判

 エコノミストや出稼ぎ問題の専門家によれば、韓国の出生率は例外的なほど低いために人口学的な危機が迫りつつあり、これを避けるために移民を大量に受け入れる必要が今後生じるという。

 また、経済協力開発機構(OECD)によれば、韓国では向こう数十年間にほかのどの加盟国よりも速いペースで人口の高齢化が進み、引退した高齢者の人口に対する生産年齢人口の比率が2010年の6倍から2050年の1.3倍へと急低下するという。

 しかし、韓国政府はこれまでのところ、移民には慎重なアプローチを示している。現在の移住者は貧しい国々の未熟練労働者が大半で、韓国人がやりたがらない仕事に就くために、厳しい制約の下で期限を区切って入国している。

 アムネスティが今回公表した報告書は、韓国の雇用許可制度(EPS)に基づいて働いている農業従事者を対象にしている。EPSは2004年に、低賃金労働者の確保に苦労している小企業の支援策の一環として導入された。

 EPSでは、例外的な状況を除き、労働者が許可なく退職することを禁じている。アムネスティの指摘によれば、この規定は、ほかに行くところがない労働者を雇用主が酷使するのを助長している。

 また、外国からの出稼ぎ労働者を2万人雇用している韓国の農業セクターでは、賃金を支払わない超過勤務への依存が常態化しているうえに、暴言や暴力の使用、性的虐待が多発しているともアムネスティは主張している。