本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―ハンセン指数、内外要因で2万3,000ポイントを挟んで一進一退の展開―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は小幅に下落しました。ハンセン指数は前週比0.28%下落し、2万3,023.21ポイントで引けました。また、上海総合指数も軟調に推移し、週間ベースで33.4ポイント安の2,341.18ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、一進一退の展開となりました。香港デモの影響で大きく下げただけに買戻しの動きが見られたものの、欧州の景気減速、エボラ出血熱の感染拡大への懸念、中国の冴えない経済指標等の悪材料を受けて、週間では売りが優勢となりました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち、22銘柄は上昇、3銘柄は変わらず、25銘柄は下落しました。カジノ大手の金沙中国(サンズチャイナ)は週間で6.2%上昇しました。また、香港交易及結算所は2.2%上昇しました。香港取引所のCEOである李小加氏が香港と上海市場の相互投資について「準備は整った」と発言したことが好感されました。

<下落>

一方、聯想集団(レノボ・グループ)は週間で4%超下落しました。米国調査会社IDCが世界のパソコン出荷台数は7―9月に1.7%減少したと発表したことが嫌気されました。また、国際原油価格の下落を受けて、中国海洋石油(CNOOC)や中国石油天然気(ペトロチャイナ)などのエネルギー関連株が軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

10月13日 中国貿易収支 9月 +309.4億ドル 市場予想 +411 億ドル、前回 +498億ドル
      輸出(前年比) 9月 +15.3% 市場予想 +12%、前回 +9.4%
      輸入(前年比) 9月 +7.0% 市場予想 -2.0%、前回 -2.4%

13日に発表された9月の中国の輸出は前年比15.3%の増加と、市場予想を大幅に上回りました。また、9月の輸入は減少を見ていた市場予想に反して、前年比7.0%増と8月の-2.4%から上昇しました。結果的に貿易収支は309.4億ドルの黒字となり、市場予想に届きませんでした。

輸出については、グラフ「中国輸出金額の推移 地域別 (2010年〜)」を見ると、9月の各地域向けの輸出の伸び率はまちまちでした。2010年年初を100とすれば、特に日本向け(8月の124.7→9月の128.3)の輸出の伸びが目立ちました。一方で、欧州、アジア及び米国向けの輸出金額の伸び率は軒並み低下しました。

輸入については、9月の7%の増加率は年初以来最高となっています。前年のベースが相対的に低くなったことに加え、輸出の改善がある程度牽引したと考えられます。



10月16日 マネーサプライM2(前年比) 9月 12.9% 市場予想 +13%、前回 +12.8% 

9月のマネーサプライM2は前年同期比12.9%増と、13%増の市場予想を小幅に下回ったものの、前月より伸びが加速しました。また、9月の新規人民元建て融資は8572億元と、7500億元だった市場予想を大きく上回りました。さらに、総資金調達額(中国元)は10,500億元増と、前月から増加しました。全体的に見ると、クレジットの供給は前月から増加傾向が出てきたようです。これは、9月中旬に中国人民銀行が実施した5,000億元のSLFといわれている緩和策が功を奏したと考えられるでしょう。


10月15日 生産者物価(PPI、前年比) 9月 -1.8% 市場予想 -1.6%、前回 -1.2%

9月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-1.2%から-1.8%に下げ幅が拡大し、-1.6%の市場予想を下回りました。9月のPPIの悪化の主な原因としては、9月以来国際原油やスチールなどの原材料の急激な値下がりが挙げられます。

業種別の生産者物価の前月比を見ると、30鉱業の中で、7業種の価格が上昇、5業種が横ばい、18業種が下落しました。特にガス生産・供給産業の0.6%の上昇が目立った一方、石油・ガス採掘価格産業の価格が2%近く下落しました。

10月15日 消費者物価指数(CPI、前年比) 9月 1.6% 市場予想 +1.7%、前回 +2.0%

9月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 1.6%増と、8 月から伸びが鈍化しました。食料CPIについて、前年比を見ると、果物(16.7%増)と卵(12.9%増)の上昇が目立ちました。食料除くCPIについては、家政サービス(9%増)や駐車費(5.1%増)の上昇が注目されています。




今後発表される主な経済指標

10月21日 固定資産投資(前年比) 9月 市場予想 +16.3%、前回 +16.5%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。特に不動産関連の固定資産投資額の減少傾向が継続する限り、製造業、建設業などの固定資産投資が堅調に推移しても全体の固定資産投資額は伸び悩む可能性が高いと思われます。9月の固定資産投資額の伸びは16.3%増と見込まれています。

10月21日 鉱工業生産(前年比) 9月 市場予想 +8.4%、前回 +8.5%

9月中国製造業PMIは51.1と前月から横ばいだったものの、内訳の生産指数は前月の53.2から53.6に上昇しました。これらの先行指標を参照すると、9月の鉱工業生産は8.4%予想されています。



10月21日 国内総生産(前年比) 3Q 市場予想 +7.2%、前回 +7.5%

2014年第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.2%の増加と見込まれています。汚職調査の影響で消費が低迷したことに加え、不動産関連の固定資産投資の軟調な推移が続いてきた格好です。また、PPIや鉱工業生産などが下落しつつあり、国内需要が弱含みを示しています。ただ、中国人民銀行が「PSL」という緩和策を行ったことや国外需要の緩やかな回復による輸出の続伸は全体的に経済成長の支えとなりそうです。

10月23日 HSBC中国製造業PMI 10月 市場予想 50.2 前月 50.2

10月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が日本時間23日10時45分頃発表される予定です。

9月分のPMI速報値は香港株式市場が大きく下落するきっかけとなっただけに、10月分の発表にも大きな注目が集まります。

10月のHSBC中国製造業PMIは前月から横ばいの50.2が予想されています。



マーケットビュー

―香港株、内外緩和が牽引した反発も様子見ムードが強まるか、GDPなどに注目―

先週のハンセン指数は、一進一退の展開となりました。香港デモの影響で大きく下げただけに買戻しの動きが見られたものの、欧州の景気減速、エボラ出血熱の感染拡大への懸念、米国株式の暴落、中国冴えない経済指標等の複数な悪材料を受けて、一時心理的な節目の2万3,000ポイントを割り込みました。ただ、金曜日に香港取引所の最高経営責任者(CEO)の発言を受けて、「滬港通(上海株と香港株の相互取次)」への期待が高まったことで切り返すと2万3,000ポイントを回復し、週間では0.23%の小幅な下落にとどまりました。

週末に欧州中銀のクーレ理事の金融緩和についての発言やセントルイス連銀のブラード総裁が量的緩和の終了延期も検討すべきとの意見が報じられ、市場センチメントが改善し、米国の長期金利も約2.2%まで上昇、欧米株ともに大幅な反発が見られ、マーケットは落ち着きを取り戻しつつあるようにみえます。さらに、中国人民銀行は週明けにも地方銀行など複数の中堅銀行向けに計2千億元(約3兆5千億円)の資金を供給することも大きな支援材料になりそうで、香港株は反発する可能性が高いと思われます。

ただ、中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議が10月20日から23日まで行われる予定で、構造改革や経済などの重要な政策の発表を控えて市場は様子見ムードが強まりやすいともいえます。また、今週は鉱工業生産や、中国第3四半期のGDP、HSBC中国製造業PMIなどの経済指標が相次いて発表されます。ハンセン指数がどこまで上昇できるかは改革政策の発表及び経済のファンダメンタルズ次第ですが、200日移動平均を明確に超えてくることになれば調整一巡感が出て、先高期待も出てくることになりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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