(2014年10月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ベネズエラ大統領選、マドゥロ氏が勝利

ニコラス・マドゥロ大統領は対外債務の返済のために輸入削減を強いられている〔AFPBB News

 10月初旬、ベネズエラがエネルギー価格の下落を食い止めようとして石油輸出国機構(OPEC)の緊急会合開催を要請した時、注意を払ったのはOPEC加盟国ではなく、一段と懸念を深める、ベネズエラ債券を保有するウォール街の投資家たちだった。

 「私が絶えず聞かれるのは、一体どのくらいの石油価格でベネズエラは(債務の)返済ができなくなるのかという質問だ」。バンクオブアメリカ・メリルリンチのシニアエコノミスト、フランシスコ・ロドリゲス氏はこう話す。

 ベネズエラは世界最大のエネルギー埋蔵量を誇るが、悪化の一途をたどる経済は、深刻なハードカレンシー不足の中で対外債務の支払いを賄うためにニコラス・マドゥロ大統領に輸入の削減を余儀なくさせている。

 ベネズエラではすでに、トイレットペーパーから医療用品に至るまで、ほとんどすべてのものが不足している

シリア以上に深刻な物資不足、デフォルト懸念で債券利回りが急騰

 「信じがたいことだが、ベネズエラはシリアよりも深刻な物資不足に陥っている」とワシントンのカーネギー国際平和基金のシニアアソシエイト、モイセス・ナイム氏は言う。

 だが、10月半ばの石油価格の下落はデフォルト(債務不履行)の可能性に対する懸念を一段と強め、ベネズエラの債券利回りは18%強まで急騰、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率は22.3%まで跳ね上がった。石油はベネズエラの輸出収入の約95%を占めている。

 「我々は、石油価格の下落を食い止めるためにOPECが協調行動を取らなければならないと考えている」。ベネズエラの外相でベネズエラ国営石油公社(PDVSA)元総裁のラファエル・ラミレス氏はこう語った。「価格の下落が市場のファンダメンタルズではなく、主要産油国の間に経済問題を引き起こそうとする価格操作によるものだと我々が確信している時は、なおさらだ」

 世界的な石油価格の下落は、エネルギー需要の鈍化と米国のシェールガスの生産増加の組み合わせが、世界のエネルギー生産とそれに伴う地政学的な勢力のバランスをいかに変化させているかを浮き彫りにした。