(2014年10月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米2人目のエボラ感染者、隔離前日に旅客機搭乗

米テキサス州ダラスで、エボラ出血熱に感染した2人目の医療従事者の自宅近くで浄化作業の準備をする消防隊〔AFPBB News

 エボラ出血熱に対するオバマ政権の対処が選挙の争点になり、米テキサス州の医療従事者2人が致死性の高いエボラウイルスに感染したことについて、共和党がホワイトハウスの能力不足を批判している。

 ホワイトハウスは守勢に立たされている。医療従事者がどのように感染したのか、そのうち1人がなぜ後に国内線に2度搭乗したのか、米国がなぜエボラ熱に襲われたアフリカ諸国からの旅行者の入国を禁止しなかったのかを巡り疑問を突き付けられているからだ。

 11月4日の議会選挙を前に、共和党はエボラ熱を利用し、バラク・オバマ大統領が弱い外交政策を推進し、米国民を守れなかったとの批判を強めている。

米国で相次いだ感染、共和党が政権攻撃の材料に

 どちらの党が上院を制するかを決定する可能性がある選挙戦を戦うカンザス州の共和党議員、パット・ロバーツ氏は10月半ばにこう言った。「米国内で流行が起きる前に、この問題について実際に指揮を執り、緊急措置を講じ、米国民の命を守ることを大統領に求める」

 こうした批判を受け、オバマ大統領は15日、米国内でのエボラの脅威に取り組む責任を負う上級閣僚の会議の議長を務めるために、ニュージャージー州とコネチカット州での資金集めのイベントへの参加を取りやめた。

 大統領は会議の後、米国は現存するエボラ発症例を封じ込め、病院が新たな発症例への対処法を確実に知っているようにするために「従来よりはるかに積極的な」アプローチを取ると述べた。

 また、オバマ大統領は欧州の指導者との電話会議で、シエラレオネ、リベリア、ギニアでのエボラ熱との戦いでもっとうまく連携する方法について議論し、「エボラ発生の傾向を抑え込むために」資金と人員を増やすよう求めた。

 一連の会議が開かれる一方で、米当局は、エボラ熱に感染し10月上旬にダラスの病院で死亡したリベリア人男性、トマス・エリック・ダンカン氏の治療にかかわり、米国内で2人目の感染者となった医療従事者と同じ飛行機に乗った132人の乗客を追跡しようとしていた。

 今年の選挙戦は1つの国家的テーマにまとまっておらず、オバマ政権はエボラ関連の能力の問題がその空白を埋めるのを防ごうと懸命になっている。民主党の一部のグループは、エボラ対策を率いる連邦機関で、批判の的になった米疫病対策センター(CDC)の予算削減に投票したとして共和党を批判し、形勢の逆転を図ろうとした。