(2014年10月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

対イスラム国空爆、英国など欧州3か国が参加承認

シリア領内への空爆を終え、イラク北部上空を飛行中の米空軍の「F15Eストライクイーグル」〔AFPBB News

 1919年、英国の帝国参謀本部の副総長を務めていたフィリップ・チェトウッド大将はこう警告した。

 「他人の問題に干渉して、聞こえよく『和平』と呼ばれるものを結ぶ習慣は、異常性愛のようなものだ。ひとたびはまると、やめられない」――。

 オバマ政権のメンバーがこんなぎょっとするような比喩を使うことは想像しにくい。しかし、米国が中東全土の混乱に対処するのに腐心している今、デビッド・レイノルズ氏の新刊『The Long Shadow(長い影)』で引用されたチェトウッド大将の不満は現代的な響きを持つ。

 チェトウッド大将の上官で、1919年に「世界中で20から30の戦争が繰り広げられている」とこぼし、混沌とした国際情勢を「統治にあたるには全く不適当で、統治することのできない」政治指導者のせいにしたヘンリー・ウィルソン参謀総長の嘆きは、それ以上に大きく響く。

1世紀前の英国と現在の米国の類似性

 英国は1919年から1920年にかけて、これらの戦争の大半で直接的、または間接的に戦闘に関与していた。戦闘の場所には聞き覚えがある。アフガニスタン、ワジリスタン、イラク、ウクライナ、バルト諸国などだ。現在のホワイトハウスの人たちにピンとこないのは、アイルランドで起きた戦争への英国の関与だけだろう。

 あの当時の英国の議論と非難の応酬も、現代の米国で繰り広げられている議論を彷彿させる。そして、当時の事態の展開から、現代の政策立案者たちにとって重要な教訓がいくつか得られる。

 1920年のイラクにおける英国の軍事的努力は、現在の連合軍と同様、主に空爆を通じて行われた。当時も今と同じように、極めて見込みのない環境の中で政治的安定を実現する長期的な公算に対して強い懐疑論があった。

 英国のアーサー・ジェームズ・バルフォア外相は「我々は文明化を望まない少数の人々を文明化するために、すべてのカネと人員を使うつもりはない」と述べた。

 中東を巡る現在の米国の混乱に呼応するように、英国の政策立案者でさえ、自分たちが矛盾する目標を追いかけていることを知っていた。レイノルズ教授はこう指摘する。「バルフォアが後に認めた通り、英国は『相互に整合性を欠く』協定に調印することで、自ら中東でとてつもない混乱状態にはまり込んだ」