(2014年10月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 今年8月、中国の習近平国家主席が主要新興国のサミット(首脳会議)のためにブラジルへ向かう途中、非公式にギリシャ領ロードス島に1泊の日程で立ち寄った時、ギリシャの大統領と首相は習主席の滞在が確実にうまく運ぶようアテネから島へ飛んだ。

 カロロス・パプリアス大統領は習主席に敬意を表して海辺の高級ホテルで非公式な昼食会を主催した。アントニス・サマラス首相は中世都市の散策ツアーに同行した。

 習主席は、2011年にあわや崩壊しかけたユーロ圏経済をテコ入れするために両氏が払った努力を称え、中国はギリシャのことを南欧への重要な商業的玄関口と見なしていると請け合った。さらに、「両国間には(進化している)包括的な戦略的パートナーシップ」が存在すると習主席は述べた。

 数年前はギリシャの経済的苦境があまりに厳しかったため、重要市場へ進出・拡大することに熱心な中国でさえ、リスクの高いギリシャの潜在性には慎重だった。

 2004年のオリンピックに先駆けてアテネに進出し、安い衣料品と家庭用品を売った中国の業者は、2010年にユーロ危機に襲われると店じまいした。ギリシャ人の購買力が低下すると、中国勢は欧州内の比較的安定した地域へ移った。

中国国営企業がギリシャのインフラに食指

ギリシャのピレウス港(写真:Nikolaos Diakidis、Wikipediaより

 大手の投資家の関心を維持できたのは、中国の国営海運会社、中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)が2009年にコンテナターミナルの運営権とターミナルをもう1基建設する権利を取得したピレウス港だけだった。

 中国はいま、ギリシャそのものと、欧州連合(EU)および国際通貨基金(IMF)の救済策の一環としてギリシャが売却しなければならないインフラを再評価している。

 ギリシャは海路、空路の双方で、欧州の奥深くへさらに手を広げようとする中国の野望を満たしている。

 「我々は中国からの民間投資と起業家活動の点ではイタリアとスペインに後れを取っている・・・国営企業はギリシャに大きな関心を示している。これは政治主導の長期的なアプローチだと言っていいだろう」。一部の交渉に通じたアテネ在勤の中国人コンサルタントは、匿名を条件にこう語った。