(英エコノミスト誌 2014年10月4日号)

資源価格の下落は世界経済が減速していることを示している。

ロンドン原油、一時1バレル=60ドル割れ

コモディティー価格の下落は、資源の純輸入国にとっては朗報だが・・・〔AFPBB News

 コモディティー(商品)市場の功績を称えよう。同市場は決して退屈ではない。2000年から2011年にかけて、コモディティー価格の様々な指標は3倍に跳ね上がり、世界経済の成長を易々と上回り、マルサス主義者のヒステリーを煽った。

 裕福な投資家のジェレミー・グランサム氏は当時、人類を破滅させるのは「ピークオイル」ではなく、むしろ「ピークに達したその他すべてのもの」だと指摘した。

 だが、その後コモディティー価格は約25%下落し、6月以降だけで約11%下落している。だが、これは純粋に有益なことではない。

悲喜こもごもの相場反転

 この運命の逆転は、当然ながら、資源の純輸出国よりも純輸入国にとってはるかに朗報だ。消費者にとっては、天然ガスやコメの価格下落は減税のようなものだ。家計により多くの可処分所得を残してくれるからだ。

 石油価格の上昇は、しばしば輸入国を景気後退に陥れ、経常赤字の拡大を通じて通貨に圧力をかけることもある。対照的に、1990年代の安い資源は先進国で実質賃金を押し上げる助けになった。

 価格が下落した時は、多くが比較的貧しい生産国が苦しむ。1970年代後半に始まった前回のコモディティー大不況は、20年間にわたり発展途上国の足を引っ張った(一方、2000年代のコモディティーブームは、発展途上国の所得急増に大きく寄与した)。

 低いコモディティー価格は、気前のよい支出を賄うために高価格に依存していた政府にとって財政的な混乱を意味することがある。十分に大きなコモディティー不況は、世界中で金融市場を混乱させる恐れがある。

 どのくらい大きな問題が予想されるかは、価格下落の大きさによる。短期的には、コモディティー価格は、供給の一時的な中断とともに、世界の需要見通しの変化に左右される。

 2008年後半に金融危機が根を下ろした時は、原料価格が下落した。例えば、石油価格は2008年夏の1バレル144ドルの高値から、同年12月には1バレル33ドルに下落した。だが、2010年末までには、新興国市場の急激な拡大を背景に世界の成長が回復したため、価格は再び100ドルに近づいていた。

 現在の比較的緩やかな価格下落も、世界経済の軟化を反映している。2010年以降、購買力平価(ppp)ベースで見た世界の国内総生産(GDP)の成長率は、年間5%余りからわずか3%強まで低下している。中国経済は、2010年は2ケタのペースで拡大したが、今年は7%成長するのに苦労するかもしれない。