なぜか増えていく石油「埋蔵量」の秘密

人類は地中の資源の全貌をまだ知らない

2014.10.09(木) 鶴岡 弘之
    http://goo.gl/kPPBln
  • 著者プロフィール&コラム概要

──地中の状態によって採掘コストはそんなに大きく変わってしまうものですか。

岩瀬 岩のなかに石油やガスどれだけあるか、集めやすいか集めにくいか、どれくらいの深さのところにあるかなどで、コストは大きく変わってきます。深ければ掘削パイプを多量に使用しなければならないので、当然コストがかさみます。

 特にシェール層は岩が固いし、また、岩の中に閉じ込められている石油やガスの密度が在来型の地層より薄く、回収できる量が少ないんです。だから、掘る井戸の数も多くなるし、コストが膨らみやすい。石油やガスをいかに効率的に集めるかがカギとなります。

──住友商事じゃなくても、こういう結果になってしまう可能性はあった。

岩瀬 もちろんあります。石油開発ですから。

「資源量」と「埋蔵量」は違う

──シェールオイルやシェールガスは世界中にたくさんあると言われています。けれども、簡単に取り出せるわけではないということですね。

岩瀬 「シェールオイル、シェールガスが世界中にあるからエネルギーは安心だ」みたいな論調があります。でもそうした見方には根本的な誤りがあります。資源量と埋蔵量をごっちゃにしているんですよね。

 シェールオイル、シェールガスがこれだけあるという情報ソースはほとんどすべてアメリカのエネルギー省が発表している数字です。実は、その数字は「技術的に回収可能な資源量」として発表されているんです。それがいつのまにか「埋蔵量」として報道されてしまっている。

 おおざっぱに言うと、資源量とは、地中に存在するすべての炭化水素量のことです。この「技術的に回収可能な資源量」のうち、通常の方法で経済的に生産が可能なものを埋蔵量と言います。

──「経済的に生産が可能」とはどういう意味ですか。

3
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS

 

JBpress編集長。東京大学文学部卒業。電機メーカー、コンピューターメーカーを経て日経BP社記者に。コンピューター雑誌、美術・デザイン雑誌、ビジネス系ウェブサイトなどの編集や運営、立ち上げに携わる。2008年4月、日本ビジネスプレスの設立に参画しJBpress副編集長に就任。2015年4月より現職。著書に『一億人に伝えたい働き方 無駄と非効率のなかに宝物がある』『小さな神様」をつかまえろ!』がある。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

>>最新記事一覧へ