(2014年10月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 米ミシガン州ミルフォードの空に響き渡る高性能エンジンの独特な轟音は、米国自動車産業のある一面を象徴している。米ゼネラル・モーターズ(GM)のミルフォード性能試験場の高速トラックで先日試験された新型「シボレー・コルベット」と「キャデラックATS」が出す音は、世界の自動車市場の最高峰で競うGMの能力を示す証拠だ。

 だが、無秩序に広がるGMの施設内のあるビルでは、投資家とアナリストが1日、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)や他の経営幹部から、同社事業のあまり魅力のない側面についてたっぷり話を聞かされた。

成長の見込めない欧米市場と利益の出ない新興国市場

 北米と欧州のGMの主要市場は来年から2030年にかけて12%しか拡大せず、欧米の自動車メーカーにとって新興国と安価な小型車が重要度を増していくと見られている。業界全体の数字では、今後15年間で中国の需要が33%、その他の新興国市場の需要が55%拡大すると予想されている。

 GMと、フォード・モーターを筆頭とする競合メーカーにとっての課題は、いかにして利益を伴う成長を生み出すか説明することだ。GMでは、最も利益の高い欧米市場がほとんど成長していない一方、新興国市場ではほとんど利益が出ていない。

 GMのダン・アンマン社長は、新興国市場、特に中国以外の市場でGMが直面する試練の大きさを避けるようなことはしなかった。

 「問題は、これらの市場では往々にして、当社や他社が現時点でビジネスを行うのが極めて難しいことだ」。アンマン社長は1日に開催されたGMの投資家向け説明会でこう語った。

 「古い戦略は『売れ筋の価格帯が非常に低くなるよう、やっていける限りは旧来の製品ラインを売ろう』というものだった。その戦略はもううまくいかない」

高級車とトラックへの利益依存

北米国際自動車ショー、デトロイトで開幕 エコカーから高級車まで

GMは高級車とトラックに利益を依存している〔AFPBB News

 GMの利益のうち、どれほどが少ない販売台数から来ているものかアンマン社長が投資家に指摘した際も、その答えは簡単には見えなかった。

 高級車と、ピックアップトラックや大型SUV(多目的スポーツ車)を含むトラックは、世界販売台数の14%を占めたが、部門別利益の60%を稼いだ。

 アンマン社長は高級車とトラックについて「我々は今、これら両セグメントで大きな利ザヤを稼いでいる」と述べた。