(2014年10月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 米アップルは中国の規制当局に対し、自社端末や利用者のデータへのバックドアのアクセスを「いかなる国、政府機関」にも絶対に与えないことを約束した後、新型の「iPhone(アイフォーン)6」を販売する許可を中国政府から得た。

 中国工業情報省は9月30日、新型の iPhone 6 用に中国のネットワークにアクセスする免許をアップルに付与したと発表した。アップルは9月下旬に他市場で iPhone 6 の販売を開始し、最初の週末までに1000万台の販売を記録している。

他国とはちょっと違う中国の規制当局

「iPhone 6」、中国本土でも発売へ アップルに通信接続許可

一歩遅れて中国で発売が決まった「iPhone6」〔AFPBB News

 世界各地での発売に間に合うよう中国規制当局の認可を得られなかったことは、9月26日に香港で始まった大規模な民主派デモにもかかわらず、中国本土のバイヤーが香港の小売店に押し寄せて iPhone 6 を買うのではないかとの憶測を呼んだ。

 1週間にわたる中国の国慶節(建国記念日)の休暇――世界第2位の経済大国である中国で買い物と観光がピークに達する時期――が10月1日に始まった。だが、アップルは、希望小売価格が5288~7788元(860~1270ドル)の新型iPhoneは10月17日まで中国の小売店には並ばないと述べた。

 「中国の規制当局者はアップルの行進に合わせて動いたりしない。中国では、規制当局が自分たちの力を示したがるため、状況がちょっと異なることがある」。北京のコンサルティング会社BDAのダンカン・クラーク氏はこう語る。

 米国諜報機関の元契約職員で逃亡中のエドワード・スノーデン氏の情報暴露がサイバーセキュリティーや米中両国のハッキング疑惑を巡って両国関係を悪化させて以来、アップルは中国で微妙なバランスを取ってきた。

 また、中国の規制当局は独占禁止法違反の調査で米ハイテク企業のマイクロソフトとクアルコムを標的にしてきた。

大画面の「iPhone 6 Plus」に期待

 中国工業情報省は、省の技術者がアップルのソフトウエアにユーザーのプライバシーを損ねかねない欠陥があることを確認し、アップルがその修正に応じたと述べた。

 中国では、サムスンの「ギャラクシーノート」などの他の「ファブレット」が成功した後、5.5インチの画面を備えたアップルの巨大な「iPhone 6 Plus」が特によく売れると予想されている。