(2014年10月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ビールの祭典「オクトーバーフェスト」開幕、ドイツ・ミュンヘン

今年のオクトーバーフェストにも大勢の人が集まった〔AFPBB News

 ドイツ・ミュンヘンで毎年開催されるビールの祭典「オクトーバーフェスト」に関する数字は、莫大になる傾向がある。昨年のお祭りで飲んで騒いだ640万人の来場者は、670万リットルのビールとおよそ25万個のローストチキンを消費した。

 だが、1つ、小さな数字がある。オクトーバーフェストでビールの提供を許可されたビール会社の数は、たった6社なのだ。

 比較的限られた店の数は、ドイツでビール消費が減少し、昨年のビール販売が東西再統一以降最も少なかったにもかかわらず、5日に閉幕する今年の祭典でビール1リットルの価格が初めて10ユーロを超えた理由を説明する一助になる。

ドイツ経済の二面性の象徴、競争の制限で価格が高騰

 この仕組みは、ドイツ経済が持つ奇妙な二面性を思い出させるものでもある。ドイツは全世界で賞賛される極めて競争力の高い輸出セクターを誇る一方で、競争を阻害するとして頻繁に経済学者に批判される比較的硬直的な国内サービスセクターを維持している。

 こうした制限は日常生活の中ではっきり見て取ることができる。日曜日に休業する店や、市販薬の販売を認可を得た薬局に限定する規制などがその一例だ。

 主に豊かな国から成る経済協力開発機構(OECD)は直近のドイツの経済調査報告で、既存業者に与えられる規制上の保護が「国際競争にさらされていない産業で依然として手厚い」と指摘した。

 バイエルンの皇太子ルートヴィヒとザクセン・ヒルトブルクハウゼンのテレーゼ王妃との結婚を祝うために1810年に初めて開催されたオクトーバーフェストは、この点を見事に浮き彫りにしている。

 1985年以降、オクトーバーフェストでの価格を追跡しているウニクレディトの調査によると、お祭りに参加する費用は毎年平均4%上昇しており、ドイツの年間消費者物価上昇率の2倍以上に上るという。

 オクトーバーフェストはミュンヘン中心部の南に位置するテレージエンヴィーゼで毎年開催され、ビールなどの販売価格は、ミュンヘン市の規制により商品供給を許されたビール会社6社を含む祭典の出店業者が決める。