経営のためのIT活用実学

東京オリンピックに向けてICTは何ができるのかハコモノ五輪で終わらせてはいけない

2014.10.02(木)  桑津 浩太郎

 まず、第5世代携帯電話もWiFiも、都市の人口集中地域向けに高い周波数を想定した基地局を多数設置するという点では、共通の設備要件となっている。基地局ポールと接続回線については、「共用または互換として2017年時点で全体の60%を決定」といった最大公約数的なアプローチとするのが現実的と言える。

 海外市場への適応という観点からは、2018年頃にLTE導入が進むような新興国からの顧客に対しては、やはりWiFiサービスをボトムラインとして提供することが不可避と考える。

 日本の独自性という点では「第5世代携帯」の先行提供が確かに魅力的に見えるかもしれない。だが、過去の取り組みを見ると、訪日旅行客が第5世代の端末を手にしている可能性は極めて低い。やはり端末の貸与等が必要であり、コストを考えると無線LANルータ等に重点を置くことが現実的とも思える。

日本語の壁を取り壊すチャンス

 さらに言うと、日本のICTは、やはり言語の壁を取り壊す挑戦を避けて通ることはできない。

 オリンピックに限った話ではないが、言葉の壁を引き下げることは、今まで一貫して日本のICT業界の課題だった。

 リアルタイムで完成度の高い自動翻訳・通訳ができれば最高だが、その実現にはまだ時間がかかる。それまでは、カメラで映した風景の映像上に自動的に翻訳文や説明表示を多言語で図示するAR(拡張現実)アプリケーション、もしくは、外国人、日本人、通訳ボランティアの3者の会話を支援する映像通信などのアプローチが考えられる。細かいニュアンスの伝達が必要な部分や、医療など人命に関わるような部分はあえて自動翻訳はせず、人を介することをITで支援する。

 支援ボランティアを育成・訓練する際は、多言語でのスクリプト作成など、ソフト分野でのリソース確保、計画的な取り組みが重要となる。

 こうして言語の壁を越えるためのツールとしてICTを活用することに、できるだけ多くの人的資源を振り当てるべきだろう。先行するインフラ投資に追いつくためにも、学生や高齢者もボランティアに動員して言語の壁を取り壊す機運を高める必要がある。

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