(2014年9月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ロシア軍機が飛来、ノルウェー沖

ロシアによる軍事的挑発が急増している(写真はロシアのスホイ27型戦闘機)〔AFPBB News

 バルト諸国でロシアによる軍事的挑発が急増し、ロシアが地域大国として力を振るおうとする中で、この地域がウクライナに続く次の開拓地になるのではないかと懸念している人々の神経を逆なでしている。

 バルト諸国の領空警戒任務にあたる北大西洋条約機構(NATO)の戦闘機は今年に入り、リトアニアの国境沿いで68回緊急発進(スクランブル)した。過去十数年間で圧倒的に多い回数だ。

ラトビアは、ロシアの航空機の領空接近が確認され、危険な行動がないか監視された「きわどい事案」を150回記録した。エストニアは、今年5回、ロシアの航空機に領空を侵害されたと述べており、その数は昨年までの8年間の合計数7回に迫っている。

 フィンランドは、過去10年間の年間平均が1~2回だったのに対し、今年は5回、領空を侵害された。一方、スウェーデンは先週、カール・ビルト外相が8年間の外相在任中で「最も深刻な領空侵犯」と呼んだ一件に見舞われた。

空軍力を誇示するロシア、米国などの防空識別圏にも侵入

 「バルト地域と欧州北部全土の多くの人が、これは将来にとって何を意味しているのかと心配している。無害な出来事ではなく、かなり不快だ」。バルト防衛大学の講師、ジェームズ・ロジャーズ氏はこう言い、侵犯行為は「ロシアがまだ大きな空軍力を持つことをすべての人に思い出させようとしている」表れだと付け加えた。

 バルト諸国は上空でのロシアの冒険主義の矢面に立たされてきたが、はるかに広範に及ぶ地域で同じような事案が急増しており、カナダ、米国、オランダ、ルーマニア、英国を含む他のNATO加盟国も領空接近・侵犯を経験してきた。

 ある西側の政府関係者によると、同盟国の領空付近でのロシアの活動のために、今年は即応警戒態勢(戦闘機の緊急発進)の回数が100回を優に上回っているという。2013年通年の実績から3倍に増えた計算だ。

 「こうした飛行の一部は、NATO加盟国の東部国境沿いで行われているロシアの軍事演習と軍事活動の増加に起因すると考えられるが、多くの場合、ロシア軍は侵入を認められていない空域に入ることで挑発的な行動を取っている」。事案の数に対する懸念があることを認めたNATO軍のある高官はこう語る。「ウクライナのケースと同様に、上空でのロシアの攻撃性は国際社会とロシアの緊張を増大させる」