(2014年9月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

カタルーニャで独立派デモに数十万人、住民投票求め巨大人文字

9月11日、スペイン北東部カタルーニャ自治州の州都バルセロナで行われたスペインからのカタルーニャ独立を求めるデモ〔AFPBB News

 経営コンサルタントの大前研一氏は1990年に、グローバル化の精神を捉えた『ボーダレスワールド』というタイトルの書籍を出版した。

 その後ほぼ25年間にわたるビジネス、金融、技術、政治の進展は、国境と国境が守ってきた国民国家の容赦ない衰退を裏付けたように見えた。

 国際情勢の会議は、世界で最も重要な問題はもはや国が単独で行動することで対処できなくなったとの発言が誰かから出ずに終了することがなかった。

 インターネットの出現によって、国境はもう問題にならないという考えが強固になった。ビットとバイトの国境なき世界では、領土、国民意識、主権などの伝統的な国家の関心事が、剣と盾のように時代錯誤なものに見えた。

 しかし、国家や国境、国民意識は今や重要ではないということを、誰かが政治家と有権者に伝え忘れたようだ。先週、スコットランド人の45%が英国から独立した国家の創設に賛成票を投じた。この住民投票には、スペインのカタルーニャや中国のチベット、カナダのケベックなどの分離独立運動から熱い視線が注がれた。

欧州で最も危険なナショナリストはプーチン大統領

 分離独立運動は、ナショナリズム復活の一面だ。欧州、アジア、中東では、確立した国家でさえ、ナショナリストの政治家が闊歩している。

 欧州で最も危険なナショナリストはロシアのウラジーミル・プーチン大統領だ。プーチン氏は、どこに住んでいようと関係なくロシア語を話す市民を守る権利、いや義務をも謳ってクリミアを併合した。多くの人が不安げに指摘した通り、これは旧ソ連の領土全域に介入する口実をロシアに与える可能性がある。

 欧州連合(EU)がプーチン氏に対する反対勢力をかき集めようと奮闘しているのをよそに、西欧諸国にはフランスの国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首など、公然とプーチン氏を支持するナショナリストの政治家がいる。

 ドイツで台頭している政治勢力は、ドイツの利益が欧州の利益の下位に置かれていると主張する「ドイツのための選択肢(AfD)」だ。繁栄しているスウェーデンでさえ、極右のスウェーデン民主党が総選挙で13%の得票率を記録したばかりだ。ハンガリーでは、ハンガリー市民同盟(フィデス)政権が明確な権威主義的傾向を持ち、国外にいるハンガリー人の運命に強い関心を抱いている。