(2014年9月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

どうなるスコットランド独立、住民投票開始

英ロンドンで、英国旗ユニオンジャックと並んでひるがえるスコットランドの旗〔AFPBB News

 英国人は金曜日の朝、奇妙な感覚を覚えるだろう。英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)は救われたが――少なくとも世論調査によれば、そうなる見通しだった――、連合はこれまでになく脆く見える。

 18日の住民投票では、45%かそれ以上のスコットランド人が分離に賛成票を投じるだろう。これは、住民投票に向けた運動が始まった段階の最も壮大な期待を除くあらゆる予想を上回る数字だ。

 反対に回るスコットランド人の多くは、忠誠の情というよりもリスク回避から、そう決断したはずだ。独立後のスコットランドがどの通貨を使うのかという問いに関して、きちんとした答えを民族主義者たちから奪ったユーロ危機がなければ、英国という連合王国はおしまいだったろう。

 連合支持派でさえ、スコットランドの異質性という現実を受け入れてきた。デビッド・キャメロン英首相は、不適切なアクセント(イングランド訛り)で話し、不適切な政党(保守党)に所属しているために、キャンペーン期間の大半を通じて口を出さなかった。これは首相による賢明な判断であると同時に、英国がいかに脆い存在かを示す究極の証拠だった。

 問題はさらに悪化しようとしている。今回の住民投票によって連合の絆が引っ張られて緩んだだけでなく、投票後も緩み続けるからだ。

連合維持のために撤回できない約束をばら撒いたツケ

 ウェストミンスターの主要政党すべてが、エディンバラへの権限移譲をほぼ即座に始めると約束した。キャメロン氏の前任者で、前回の総選挙でやっと29%の得票率を確保しただけのゴードン・ブラウン前首相はその権威をふり絞り、「ほかならぬ近代的な形のスコットランド自治」を約束した。

 ブラウン氏がそのようなことを約束できる公職に就いておらず、イングランド人も、ウェールズ人も、北アイルランド人も、議会自体も相談を受けていないという事実は、あたかも時機が来れば解決される問題のように思えた。

 我々は、5度にわたるフランス人の共和制への試みを鼻で笑うが、これは無頓着さの極みに達する憲法の即興だ。英国を統治する取り決めに関する撤回不能な約束が、土壇場で切羽詰まった人たちが展開するキャンペーンの餌としてばら撒かれたのだ。