9月1日に大阪府和泉市の米穀販売会社、イオンライスが「国内産コシヒカリ100%」などと偽って中国産米などを売っていたとして、同社幹部5人が逮捕されました。

 筆者にはとても既視感のあるニュースです。2009年、日本ライス(東大阪市)がイオンライスと同様に中国産米を「国産コシヒカリ」などと表示して販売し、社長以下7人が逮捕された事件がありました。

 当時、筆者は日本ライス事件が表面化する2年前より被害者から相談を受けていて、事件の進行をつぶさに観察できる立場にありました。被害者のために資料を作って裁判所で証言もしました。

 イオンライスが愚かなのは、日本ライスと同じ大阪府で営業していながら、同様の犯罪に手を染めたことです。大阪府警は日本ライス事件で、産地偽装を不正競争防止法で逮捕し、詐欺で立件する捜査ノウハウを作り上げました。そのノウハウが後にミートホープ事件をはじめとした食の偽装事件に活用されていきます。食品偽装が発覚してから半年程度で容疑者を逮捕できるようになったのは、このノウハウがあるがためです。

 ちなみに、そんなノウハウを作ったのは、警察の花形部署である捜査1課や2課などではありません。むしろ地味で注目されることが少ない、生活安全部の仕事でした。比較的地味な仕事をしている生活安全部でもここまでできることを示したということで、大阪府警の担当部署は警視総監賞を受賞しています。

 そんな、食品偽装を叩くノウハウを開発した本家のお膝元で、同じコメの偽装をやったのがイオンライスです。「こいつら、府警をなめとるな」・・・そんな捜査員の声が聞こえてきそうです。

他県産の同じ品種を売るのが偽装の第1段階

 本題に移りましょう。

 今年のコメは大暴落が予想されています。拙稿が読者諸兄の目に触れる時には、もうすでに暴落しているかもしれません。なぜ暴落が予想されるのかというと、それだけの在庫が市中に留まっているからです。