(2014年9月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 グーグルは自律走行車と寿命延長技術の開発に何億ドルものお金を投資している。アマゾン・ドット・コムは無人機による配達の実験を行っている。フェイスブックはバーチャルリアリティーで遊び、太陽光発電を動力とした飛行機でインターネットアクセスを遠く離れた場所へ飛ばしている。

 その一方で、アップルはファッションビジネスに進出している。

 一見すると野心の大きさと複雑さの度合いは異なるが、すべてに共通点がある。いずれも、これら巨大企業の業績に大きな影響を与えるまでには何年もかかる長期的な賭けなのだ。

アップルウオッチは「技術以上のもの」

【特集】アップルのApple WatchとiPhone6

9月9日、「アップルウオッチ」を発表したティム・クックCEO〔AFPBB News

 何年も憶測が飛び交った末に、9月9日、クパチーノで、アップルの新しい時計が最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏によって披露された。

 雑誌ヴォーグの編集者や他のファッションジャーナリストなど、発表会に招待された珍しい顔ぶれが物語っているように、アップルは「アップルウオッチ」のことを技術以上のものと見なしている。

 「機能的でありながら、驚くほど美しいものだ」とクック氏は述べた。

 同氏によると、シリコンバレーの多くの人は未来のSFビジョンを前倒しして実現しようとするかもしれないが、アップルはスマートウオッチの健康管理アプリなどを通じて人々の日常生活を助けたり、個人の技術的課題をもっと解決したりするような製品を作りたいという。

 「我々は非常に個人的なものを作りたかった。そうするには腕が格好の場所だと思った」。クック氏は本紙(英フィナンシャル・タイムズ)にこう語った。「これで人がより良い日を送る助けになれる。我々はハードウエア、ソフトウエア、サービスの継ぎ目のないイノベーションが必要となるものに関して革新するのが大好きだ」

 もしアップルウオッチが「iPod(アイポッド)」や「iPad(アイパッド)」「iPhone(アイフォーン)」に少しでも近いような人気を博せば、アップルはそうした技術的な成果だけでなく、大きな利益も上げることになる。

 アップルウオッチは来年初めに発売される時、350ドル以上の値段となる。これは多くのアナリストが予想していたより高い価格設定で、革製ストラップのゴールドタイプは値段がもっと高くなる。