本記事は8月28日付フィスコ企業調査レポート(テクノスジャパン)を転載したものです。
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フィスコトップインタビュー
—「ビッグデータ」で安定成長路線から高成長路線に舵を切る—

 独立系として経営課題解決に向けたITコンサルティングに強みを持つテクノスジャパン<3666>が、主力事業のERPコンサルティングによる安定成長路線から「ビッグデータ」を第2の主力事業とした高成長路線に舵を切った。

 国境・地域を越えた企業間競争が激しさを増している現在、いち早く的確な経営判断を下すため、自社情報のほか外部の大量の情報・データ、いわゆる「ビッグデータ」の活用に関心が集まっている。ビッグデータを活用した経営は欧米で先行しており、日本で実際に取り入れている企業はまだ少数だ。しかし、その有効性が周知されれば急速に普及することが想定される。また、ビッグデータの活用が国内全産業の売上高を70~100兆円規模で押し上げると見込まれており、産業界のみでなく政府もビッグデータに大きな期待を寄せている。ビッグデータ解析市場は年率5%超での成長が見込まれ、2017年度には1兆1,400億円を突破する見通しだ。

 同社は成長戦略の中でビッグデータビジネスの加速とグローバル化の更なる推進を掲げている。ICT分野の技術革新で日本に大きく先行する米国シリコンバレーに活動拠点を設置し、ビッグデータビジネスに必要な先端技術の取り込みや国際的なアライアンス構築を推進する体制を整えた。また、ビッグデータ活用に不可欠なデータサイエンティスト集団を擁するコンサルティング会社を設立するなど、国内では類を見ない体制を構築しビッグデータ解析市場に本格参入した。

 既にビッグデータを活用したデジタルマーケティング分野で、米ベンチャー企業との共同事業や早稲田大学との共同研究、ビッグデータ活用方法を紹介するセミナーなどを行っている。また、2014年4月にはグループ初となるデータ解析ソリューションを発表した。

 今後はマーケティング分野にとどまらず、センサーデータを解析し生産、流通、販売現場における「ムダ・ムリ・ムラ」を革新的に減らすシステムの開発により、製造業などへのビッグデータ解析ソリューションの提供も視野に入れている。同社の第1の柱であるERPビジネスと第2の柱として注力しているビッグデータビジネスのシナジー効果により、企業の経営課題に対しワンストップでサービスの提供が可能なトップクラスのICTコンサルティングカンパニーを目指す。

Check Point

●ERPビジネスで培った経験、ノウハウがビッグデータビジネスでも独自の強みに
●ビッグデータビジネスによる成長と高水準の利益還元を両立
●成長戦略への理解が進めば株価も再評価される局面に