マット安川 ゲストに公明党幹事長の井上義久さんを迎え、与党連立政権の現状とこれからの課題を伺いました。また地方で過疎化が進む町村での活動についても、詳しくお聞きしました。

アベノミクスは日本経済の閉塞感を打ち破った

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:井上義久/前田せいめい撮影井上 義久(いのうえ・よしひさ)氏
衆議院議員、公明党幹事長。東北大学工学部金属加工学科卒業。1990(平成2)年2月、公明新聞記者を経て、東京3区より衆議院議員初当選。衆議院国家基本政策委員会理事・倫理公選法特別委員会委員(撮影:前田せいめい、以下同)

井上 私が学生だったころは高度経済成長の真っ最中で、日本全体に大きな目標があったと思います。一所懸命働けば暮らしが良くなる、自分たちが頑張れば子どもの時代にはもっと良くなるという希望があって、それが働く原動力になっていました。

 しかし今の日本は、将来に対する漠然とした閉塞感に支配されています。今こそ政治が若い人たちに対して、こういう日本にしていくんだ、あなたがたの活躍の場はたくさんあるんだというメッセージを発する必要がある。意欲のある若い人がその意欲を発揮できる環境を作らないといけません。

 そういう意味では、自公連立の安倍政権が始動したアベノミクスは大きな成果をもたらしたと思います。経済の閉塞感を打ち破って、日本経済はまだまだ強いんだという自信を持てるようになった。先行きに対する明るさが出てきました。

 これからの人口減少は特に地方に大きな影響を与えます。若者を励ますと同時に、地域はこれからも持続可能だということも示す必要がある。安倍(晋三)総理は地域創成ということをおっしゃっていますが、私もそれは大事なテーマだと思います。党としても力を入れて取り組んでいきます。

10%引き上げ時の軽減税率導入を目指す

 公明党は「大衆福祉の党」としてスタートし、その姿勢を一貫して守り続けています。消費増税に踏み切ったのも社会保障をしっかり維持するためにほかなりません。

 今の社会保障制度は現役世代が高齢世代を支える仕組みです。しかし高齢化が進む中、支えるべき現役世代が減って、もはや支えきれなくなってきています。

 これからは高齢の方であっても負担できる方にはできるだけ負担してもらって、本当に支援を必要としている方を全体で支える仕組みにしないといけません。そのためには安定した財源が必要ですから、全体で支えるという意味で消費税を引き上げさせていただいたのです。