(2014年8月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

スコットランド、独立なら金融危機にぜい弱に 分析

英国からの独立の是非を問う住民投票が9月18日に迫っている(写真は2013年9月、エディンバラで集会を開く独立支持派の人々)〔AFPBB News

 住民投票まで3週間となったが、スコットランドの独立を求めるアレックス・サモンド自治政府首相のキャンペーンはまだ素朴な疑問に答えなければならない。

 スコットランド人はなぜ、誇りを持ってスコットランド人でいると同時に、満足して英国人でいることができないのか?

 自由に往来できる国境と、多様にして1つになりつつあるアイデンティティーを持つ21世紀の世界で、人口500万人の市民が偏狭になり、自らを隣人から切り離すべきだと要求するのはなぜなのだろうか?

 20年ほど前なら、スコットランド民族党(SNP)は即答していただろう。分離独立は、イングランドの抑圧という束縛から自由になることを意味していた。マーガレット・サッチャーの人頭税が、スコットランドが隷属的な国であり、イングランドの保守党議員がその不快な右寄りのイデオロギーで実験を行う場所だと証明したではないか? 昔ながらのナショナリストの目から見れば、独立は解放と同義だったのだ。

独立が解放を意味した時代は今や昔

 サモンド氏は、アイデンティティー政治の緊張を闇雲に高めることを概して避けてきた。恐らくは、ジャコバイト的な不満のドラムを打ち鳴らしても、SNPが過半数を集めることはできないと知っているためだ。

 連合は、スコットランドが愛国心と国民意識を英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)に明け渡すような状況はもたらさなかった。スコットランドは、独自の教会制度、法制度、教育制度を持つ。また、英国の妨害に屈するにはあまりにも力強い文化を持ち、1999年以降はホーリールードに独自の議会も持っている。

 サモンド氏は、スコットランド人が、古い恨みに自分たちの未来を支配させるにはあまりにも抜け目なさすぎることを知っている。一連の選挙で、彼らは、SNPの政治家をホーリールードに送る一方、ロンドンには自分たちを代表させるために連合支持派を送り込んできた。

 SNPの指導者たちは、スコットランドには保守党議員よりもっと多くのジャンアントパンダがいると冗談を言うのが好きだ。だが、2010年の英国議会の総選挙では、保守党がスコットランドの一般投票の17%を占め、SNPの20%とわずか3ポイント差しかなかった。

 そのためサモンド氏は、包含的なナショナリズムの福音を説いている。スコットランドは、自由の身になっても、イングランドの親友のままでいる、というわけだ。