(英エコノミスト誌 2014年8月23日号)

中国は、屈辱の2世紀を経て、世界での地位の回復を渇望している。米国はどう反応すべきか。

米中関係の転換点になるか、胡主席が訪米

中国経済の規模は数年内に米国を上回る〔AFPBB News

 不安を抱かせるような想定が、北京とワシントンの一部で根を下ろしつつある。

 向こう数年のうちに、中国の経済規模は米国を上回るだろう(購買力平価ベースでは、既に上回ろうとしている)。軍事力も、まだ米国に比べれば劣るものの、急速に拡大している。そして東アジアで戦争が起きれば、どこであれ、中国に地の利がある。

 そうしたことから、一部の人はこう結論づける――中国と米国が張り合うことは避けられず、やがては敵対関係に至る。場合によっては紛争が起こるかもしれない、と。

 今後数十年の外交上の課題は、そのような破局を絶対に迎えないようにすることにある。問題は、「そのためにはどうすればいいか」だ。

同格同士の優位性

 欧米のタカ派の中には、あらゆる面で中国を脅威と見る人がいる。中国の国有企業はアフリカで抜け駆けをし、政府は国連の票決で独裁者の肩を持ち、資源を求める飽くなき欲望が環境を破壊している、というのだ。

 だが、幸いなことに、中国が国際秩序を覆すために世界中で活動しているとする主張を裏づける証拠はほとんどない。中国の欲望には、歴史的な側面があり、感情的な部分さえ見える。だが、世界の大半の場所では、中国は既存の規範の中で行動しようと努めており、規範を覆そうとはしていない。

 アフリカでの中国企業の活動は商取引的なもので、大抵は国ではなく起業家が主導している。そのほかの場所でも、かつては場当たり的だった外交が、より洗練されたものに、そして有益なものに育ちつつある。国連安全保障理事会の常任理事国5カ国のうち、中国は平和維持活動に最も大きく貢献しており、「アフリカの角」沿岸の海賊監視活動にも参加している。

 一部の分野では、環境への負荷の軽減に力を入れている。例えば、大規模な植林計画やクリーン石炭技術などがある。

 大きな例外が、東アジアと北東アジアだ。この地域は、世界でも特に人口密度が高く、活力と富が集中している。この地域に関する中国の言動は、中国がパックスアメリカーナに満足していないことを示している。中国は何世紀にもわたり地域の中心にいた。アジアの諸王国がその周囲を回転する太陽だったのだ。