本記事は7月10日付フィスコ企業調査レポート(ケンコーマヨネーズ)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
佐藤 譲
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きめ細やかな業態別の顧客ニーズ対応で需要取り込みへ

 サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工食品等の製造販売を手掛けている。業務用に強く、ロングライフサラダで業界シェア40%、サンドウィッチ用やパン用タマゴサラダで56%とそれぞれトップとなっており、マヨネーズ・ドレッシング類も14.9%とキユーピー<2809>に続いて2位に位置する。

 2014年3月の業績は、タマゴ加工品や総菜関連の需要が順調に拡大し、売上高は前期比5.1%増の57,301百万円と過去最高を3期連続で更新したものの、原材料高や円安が響いて経常利益は同12.3%減と2期ぶりの減益となった。

 2015年3月期は売上高が前期比4.7%増と拡大基調を持続、経常利益も前期途中から実施した価格改定の影響がフル寄与すること、また、原材料コストは昨年が高値のピークであり、同19.5%増と増益に転じる見通しだ。

 高齢化社会の進展や単身者世帯の増加、女性の社会進出など生活スタイルの変化により、今後も中食市場の拡大が見込まれる。また、ヘルシー志向の高まりなども、サラダ・総菜類の需要を拡大させるものと予想される。同社は、業態別に細分化した営業・商品開発・メニュー開発チームを作り、顧客ニーズに対応していくことで、こうした需要を取り込んでいく戦略で、将来的には更なる売上の拡大を目指している。なお、連結配当性向で20%を目安に安定配当成長を目指していくほか、株主優待として年1回自社製品の贈呈を行っているなど、株主還元にも積極的だ。

Check Point

●ロングライフサラダで業界トップの地位を確立
●2015年3月期は全ての事業で増収の見通し
●グローバル展開や事業領域の拡大に注力中

会社概要

サラダ市場のパイオニアとして業界内で高い評価

(1)会社沿革

 1958年3月に神戸で食用油脂の販売会社として創立されたのが同社の起源となっている。創業から現在に至るまで、同社の歴史の中で大きな転換点が二度ほどある。第一に、食用油の販売事業から業務用マヨネーズの製造販売へと事業を転換した1961年である。

 会社設立当初は関西の煮豆・総菜店向けにコロッケや唐揚げ用油として、またマヨネーズの原料として食用油を販売していた。当時は自家製のマヨネーズを作っている総菜店が多くあったが、手作りだと夏場には油とタマゴが分離するなど品質が安定しないという問題点があった。そこで同社は安定した品質のマヨネーズを製造販売すれば、需要が見込めると判断、1961年に業務用マヨネーズメーカーとして事業を開始することになる。

 当初は販売に苦労したが、マヨネーズを使った総菜メニューを提案していくことで、顧客からの信頼を得ることに成功し、販売数を拡大していった。1970年以降になると食事の洋食化が進むと同時に、外食産業が立ち上がったことで、業務用マヨネーズの需要も拡大し始め、同社の業績も成長期に入っていった。