(2014年7月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以来ずっと、米国や他の大国からの批判は驚くほど一様だった。中国は世界的な貿易自由化の理念を前進させるための努力が足りず、厳しい交渉が始まると、中国政府は他の発展途上国の陰に隠れる、というものだ。

 ジュネーブで先週、昨年世界最大の財の貿易国となった中国が隔年実施されるWTOの「貿易政策リビュー」会合にかけられると、批判的な向きはまた同じ非難を繰り返した。米国は中国の取り組みに対して「今度は中国の積極的なリーダーシップが必要だ」と断じた。

積極的な役割を担い始めた中国、他の新興国と距離

 しかし、このような言い回しは廃れ始めているのかもしれない。中国が何をしようとしているのか、あるいは何を考えているかを見極めるのは決して容易ではない。しかし、少なくとも貿易の世界では、中国が旧弊を打ち破り、より積極的な役割を担い始めていることを示す兆候が増えている。また、同じくらい重要なのは、中国が他の新興大国と距離を置き始めていることだ。

 今週の出来事はさらなる証拠を提供するはずだ。中国は8日、米国、欧州連合(EU)とともに、環境関連物品の貿易自由化に関する新協定の締結に向けた交渉をジュネーブで開始する。中国が最初から参加することは大きな意義を持つ。

 中国は今年1月のダボス会議で、土壇場になってこの取り組みの発表に加わった。だが、そうするためには中国は、WTO交渉で通常途上国に付与される「特別・差別」待遇を放棄することに同意しなければならなかった。

 交渉への参加は、いつものWTOの途上国クラブから離脱し、中国やその他のBRICS諸国がまさに声高に抗議してきたような、選抜された加盟国グループによる米国主導の「複数国間」交渉に加わることを意味した。

 また北京では、今週の大半を費やし、米中両国の当局者がIT(情報技術)製品の国際貿易を規制している1996年協定の更新を巡る交渉の行き詰まりを打開する方策を模索することになる。これは両国が毎年開催している戦略・経済対話から期待できる数少ない潜在的「成果物」の1つだ。

 ジュネーブでは先週、インドが昨年12月のバリ会合で支持した、非効率な税関手続きを撤廃する合意を批准しない可能性をちらつかせる一方、中国はまったく正反対の立場を取った。インドは、自国と特定のアフリカ諸国がバリ合意について抱く懸念に対して十分な対応が取られていないと不満を述べたが、中国は合意への支持を改めて確認した。