(2014年7月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 一部の公共機関に債務再編を認めた米自治領プエルトリコの措置が4兆ドル規模の米地方債市場を揺るがしている。主要格付け機関は、新法がデフォルト(債務不履行)の波を招きかねないと警告している。

 プエルトリコのアレハンドロ・ガルシア・パディヤ知事は先週末、プエルトリコ電力公社などの一部の大手公益企業に、積み上がる債務残高の削減について債券保有者と交渉することを認める法案に署名した。

 法案は、債券保有者に対するプエルトリコのコミットメントからの逸脱と見られている。

一部の公社に債務再編への道

 米国の一部自治体と異なり、米領プエルトリコの憲法は、政府と公企業が破産裁判所で債権者からの保護を求めることを禁じている。一部の公社は新法に基づいてデフォルト(債務不履行)することができるが、政府当局は、新法は自治領政府が直接発行・保証した債券――プエルトリコが抱える総額730億ドルの債務の大部分を占める――には適用されないと強調している。

 「我々は自治領政府の債権者に対する支払い義務を履行し続ける。我々はプエルトリコが確実に経済成長を取り戻すことに専念し、この約束を必ず守る」と知事は述べた。

 公的機関が抱える債務は合計で200億ドル近くに上る。新法では、これらの機関は数カ月間にわたり、債券保有者に対する返済について交渉することができる。債務再編を実行する場合は、債券保有者の75%の承認が必要になる。

 パディラ知事は新法を擁護し、これで公社は基本的サービスを一切損ねることなく財政難に対処できると述べた。

 だが、投資家はそれでも、法改正が最終的に債務再編の波につながった場合の幅広い悪影響を恐れている。

 プエルトリコの証券は年金基金やミューチュアルファンドの間で広く保有されている。こうしたファンドはこれまで、プエルトリコ債が地方自治体、州政府、連邦政府の税を免除されていることから恩恵を受けてきた。