(英エコノミスト誌 2014年6月14日号)

カリフォルニア州の教員組合にとって驚くべき敗北

 カリフォリニア州の教師は毎年、12万5000分の1の確率で能力不足によって解雇される。この点では、同州の教師の職は民間部門の労働者のそれより約3750倍も安泰だ。

 契約のために、役に立たない教師を解雇することはほぼ不可能になっている。人口減少や厳しい予算が解雇が必要であることを意味した場合、学校は最悪の教師ではなく一番新しく採用した教師を解雇することを余儀なくされる。この制度は到底、優秀さを育むよう設計されたものではない。

 質の悪い教師は子供たちを傷つける。良い教師に割り当てられた生徒は、大学へ進学し、良い給料を得る可能性が高くなる。2011年に公表された全米経済研究所(NBER)の調査によれば、少女たちが妊娠する可能性も低くなる。ビル・ゲイツ氏はかつて、すべての子供が上位4分の1に入るくらい優秀な数学の教師に恵まれたら、米国とアジアの学力格差は2年で消滅するだろうと語った。

 様々な研究は、教師の質の方が1クラス当たりの人数や所得水準、優れたハイテク機器へのアクセスよりも重要であることを繰り返し示してきた。全米18州と首都ワシントンは今、教師が役に立つかどうかという基準でテニュア(終身の身分保障)授与の決定が「形成」されることを義務付けている。そして23の州では今、教師の評価が不十分な場合は、教師を解雇できることになっている。

通信業界の大富豪ウェルチ氏が生徒9人による提訴を支援

 6月上旬までカリフォルニア州の教員組合は、改革を阻止することに成功してきた。同州の教師は、仕事に就いてから2年も経たないうちにテニュアを得てきた。質の悪い教師を解雇するのには多大なコストと労力を要するため、学区はめったに解雇しようとしなかった。

 だが、通信業界の大富豪、デビッド・ウェルチ氏が設立した改革支援団体「スチューデンツ・マター」が起こした訴訟のおかげで、今後、この状況が変わるかもしれない。数人の高額な弁護士の助けを借りて、ウェルチ氏は6月10日、教師の採用と解雇を規定する5つの州法に対して起こした訴訟で見事な勝利を収めたのだ。

 9人の生徒の代理として起こしたこの訴訟は、3つの分野に焦点を当てていた。教師のテニュア、解雇手続き、年功序列のルールだ。

 原告らは、これらの法律は極めて無能な教師が職にとどまるのを可能にしており、こうした教師は貧しい非白人地域で不釣り合いに多いと主張した。ロルフ・トロイ判事は、これらの法律は州憲法で保障された平等な教育を受ける権利を侵害していると述べ、5つの法律すべてを無効にした。「証拠には説得力がある」とトロイ判事は書いた。「まさにそれは良心に衝撃を与えるものだ」