(2014年6月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ケニアの町襲撃、アルシャバーブが犯行声明 外国人らに警告

ケニア西部の沿岸の町ムペケトニで、武装集団アルシャバーブに襲撃された警察署〔AFPBB News

 ケニアの観光産業が新たな危機に見舞われている。ここへ来て再び、イスラム過激派アルシャバーブによる同国沿岸部への攻撃が相次ぎ、業界をさらに震撼させているからだ。

 アルカイダと関係のあるソマリアのジハード(聖戦)集団アルシャバーブは16日夜、人気の高いラム島から30キロほど離れた村落を襲撃し、少なくとも15人を殺害した。その前日には近くの町ムペケトニで大虐殺があり、49人が死亡している。

アルシャバーブが外国人観光客に警告

 目撃者によると、ムペケトニの襲撃はソマリ語を話せない男性やコーランの祈りの言葉を暗唱できない男性を標的にしており、襲撃後には、アルシャバーブから外国人訪問客に対する背筋の凍るような警告が出された。「ケニアは今、正式に交戦地帯となった。国内にとどまる訪問客の身の安全は保証しない」というものだ。

 新たな暴力とケニア国内でのアルシャバーブの存在感の高まりは、ケニア政府にさらなる圧力をかけ、同国の貴重な観光業が直面する危機を増大させている。「これは観光経済にとって致命的な打撃となる」と、ある西側外交官は言う。

 ケニアは訪問者数を年間500万人に増やしたいと考えているが、2013年の選挙中の政情不安と、昨年、首都ナイロビのショッピングセンター「ウエストゲート」で起きたアルシャバーブによる67人の大量殺戮以降、訪問者数は急減した。以来、ナイロビその他各地で、破滅的な襲撃が相次いでいる。

 英国政府が先月、チャーター便の人気の目的地であるケニア第2の都市モンバサへの「不要不急の渡航」を行わないよう警告すると、ツアー会社のTUIは500人の観光客を武装警備隊の護衛付きで避難させた。

 アルシャバーブは、ケニア軍による2011年のソマリア侵攻と、裁判なしの聖職者殺害、「残忍なイスラム教徒抑圧」に対する報復としてケニアを攻撃すると誓っていた。

 ある外交官は、アルシャバーブによるソフトターゲットの利用は、国に対する信頼の崩壊を目指すことでナイジェリアのジハード主義組織「ボコ・ハラム」に呼応するよう作戦を調整していることを示しているとの懸念を表明した。

 外交官とテロ専門家はウエストゲート襲撃以降のアルシャバーブからの脅威に対するケニア政府の対応を批判してきた。