今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(5月25日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、東シナ海の公海上空を飛行中の自衛隊機に中国の戦闘機が異常接近した問題を取り上げたほか、ウクライナ問題での日本のロシア制裁に対するプーチン大統領の発言などについて解説した。

「異常接近は日本の演習妨害が原因」と反論する中国

中山 東シナ海の日中中間線付近で24日、監視飛行中の自衛隊機に中国の戦闘機が相次いで近づき、一時30メートルから50メートルまで接近したと伝えられました。

 これについて小野寺(五典)防衛相は、記者団に対し「常軌を逸した近接だ」と強く批判したうえで、公海上の情報収集活動に制限はないとして、これまで通り警戒監視に万全を期す考えを強調したそうです。

 一方、中国国防省は25日に声明を出し、「自衛隊機が中国の防空識別圏に進入し、ロシアとの合同軍事演習を妨害したためだ」と主張し、自らの行動を正当化。

 さらに「中国とロシアの海軍の合法的な権利を尊重し、一切の偵察と妨害をやめるよう要求する。さもなければ、これによって引き起こされるすべての結果は日本が負うことになる」と警告し、日本側に抗議の申し入れを行ったとしています。

 中国機に対して自衛隊が行ったスクランブル(緊急発進)の回数は昨年度、過去最多の415回を記録し、日本周辺での中国機の活動が活発化しています。

 昨年に起きた海自護衛艦へのレーダー照射といい、近頃の中国の軍拡は異常です。日本は平和ボケしていると言われますが、国境線で起きている“今そこにある危機”を私たち一人ひとりが意識すべきではないでしょうか。

 相手国が武器を持って体当たりに近い接近行為を繰り返す中で、「話せば分かる」と悠長に構えていては手遅れになりかねません。日本政府は中国側に外交ルートを通じて厳重な抗議を行っていますが、我々国民も強い危機感を持つ必要があります。