経営を強くする

「ネットは怖い」?
体の秘密を知られたくない女性たち新領域のIT普及を可能とする意識転換とは

2014.05.27(火)  桑津 浩太郎

課題はむしろ消費者意識

 以上のように医師の側の課題は、早晩、解決されるだろう。むしろ、ヘルスケアとITの関係において、その進展を遅らせている要因として、エンドユーザー、特に消費者の意識が改めて注目されている。

 すなわち、ヘルスケア関連の情報をネットで「集約、記録」していくという基本的なビジネスモデルの前提に対する警戒感が、予想以上に強いのである。

 もちろん、医療や健康に関する情報は、厳密に守られるべき個人情報である。関連事業者はもちろん情報保護に関して必要な対策を講じているが、利用者の警戒感はどうもそれまでのオンラインショッピングやSNSとは異なるようだ。

 その代表例が、体組成計のネット接続である。「体重」は血圧、血糖値と並ぶ健康管理の先行3大重点指標とされている。日本市場において体組成計の家庭普及率は60%近く、高機能の体組成計でも10%近い水準と言われており、世界でも体重計をネットに接続する環境は整っている。

 しかし利用者、正確に言うと女性は、体組成計をネット接続することへの警戒感が極めて強い。クレジットカード番号、顔写真、住所、メールアドレスなども登録に警戒感を持つ人が多いが、体重はクレジットカード番号と同等か、人によってはさらに強い忌避感があるようだ。

 過去、クレジットカード情報の流出等が社会的問題となったが、「個人の体重情報の流出は該当企業の経営危機に直結するのでは?」とも、まことしやかにささやかれるほどだ。

決して楽しいわけではない体重管理

 ここで、過去に登場して普及したIT関連製品やITサービスを改めて振り返ってみると、ヘルスケア分野との違いが浮き彫りになってくる。

 これまでの成功してきたIT製品やサービスは、基本的には「楽しいこと、面白いこと、便利なこと」などを実現するものであり、消費者の欲望と同じ方向を向いていた。新製品が発売されるたびに銀座のショップに全国から人が集まってくるアップル製品などは典型的な例と言ってよい。

 だが、ヘルスケア領域のIT製品は「実は、楽しいわけ…

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