経営を強くする

「ネットは怖い」?
体の秘密を知られたくない女性たち新領域のIT普及を可能とする意識転換とは

2014.05.27(火)  桑津 浩太郎

 民間企業の多くは、「医療領域」でビジネスを追求したいものの、実態としては「健康管理領域」から、抜け出せないことが多い。

 この背景には、IT業界のビジネスモデルの隠れたルールがある。それは、「人命リスクには近づかない」というものだ。

 通信ネットワークの停止や情報システムのバグは、医療や金融等の活動を実質的に停止させることで人命を左右することがある。しかしIT事業者の多くは、それらのサービスのコンポーネントを提供することはあっても、生死に直結するリスクは取らないことが一般的なのである。

 多くのIT企業の経営者は、人命を左右するサービス、システムを直接的に取り扱うことはできるだけ回避したいと考える。例えば、あるIT企業が「高齢者の見守りサービス」(朝起きると家電にスイッチを入れて、在宅かつ生存を確認するサービス)などを検討した際、役員会で、「もし、当社のサービスが誤作動して、助けを求める状態で生存のサインを送ってしまい、取り返しのつかない事態になったら、どう責任を取ればよいのか?」ということについて何時間にもわたって激しく議論になったことがあると聞く。

 第三者から見れば、非常に例外的な条件が複数、同時に発生しない限りそのような事態はまず心配する必要がないだろうと思えるが、当事者、特に経営に責任を有する立場からすると、決して看過し得ないリスクとなってしまう。

 やや無責任な言い方をすれば、ITは人命を直接左右するケースが少ないため、そのあたりの意識が希薄になる、もしくは逆に過敏になる、という両極端に陥りやすい。

 ちなみに同様の指摘は、自動車メーカーなどからも言われることがある。以前、北米で「マイクロソフトが自動車を開発したら?」というジョークが流行った。例えば、車が走っている途中に突然フリーズし、ディスプレイに「不正な処理がなされました」というメッセージが映し出される、というようなものだ。これは笑い話だが、自動車メーカーからしてみればIT業界の安全意識が決して高くは映っていないことは事実である。

 やや乱暴な言い方をすれば、ガレージから生まれた西海…

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