(2010年7月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
もし欧州連合(EU)が銀行のストレステスト(健全性審査)に適用した方法を使って自動車や玩具の安全性を試そうとしたら、刑務所送りになるだろう。なぜか。単純に言って、テストの仕組みが結果を操作するよう調整されていたからだ。
テストの目的は、どのみち整理しなければならない銀行だけが不合格となることを確実にすることだった。同時に、この妙案とされるものは、残りの銀行システムは健全だということを外の世界にはっきり示すはずだった。世間をあざ笑うようなテストの目的は、EUが実際には問題を解決していない時に、解決している振りをすることにあった。
この策略がうまくいったかどうか判断するのは早計だ。だが、結果が公表された7月23日夜の事情通の反応を見る限り、うまくいかなかったのではないか。期待はあまり高くなかったが、EUは最も低い期待も満たせなかったのである。
重要な機関がテストの対象外、合格基準の定義にも問題
ドイツ復興金融公庫(KfW)のような重要な機関がテストの対象外だった(写真はベルリンにあるKfWの店舗)〔AFPBB News〕
ストレステストには根本的な問題が3つあった。どれ1つ取っても、テストを無効にするほどの問題だ。
1番目の最も軽微な問題は、財務状態が完全には明白ではない重要な機関がテストの対象外だったことだ。その1つがドイツ復興金融公庫(KfW)だ。ドイツの国有機関であるKfWは法的には銀行ではないが、銀行のような機能を持つ。例えば、同社は不良資産を大量に抱え込んでいる。
2番目の問題は、合格基準の定義である。様々な種類の資本を含む「中核的自己資本(ティア1)」が銀行の総資産の6%に達していることが今回のストレステストの合格基準だった。
この定義の問題は、我々が知りたいことを何も教えてくれないことだ。というのも、我々が自己資本比率に関心を持つのは、銀行が何らかの法的要件に達しないことを恐れているからではなく、外因性のショックに対する保険が十分ではない可能性があるからだ。
ティア1資本には、株式と内部留保が含まれるが、様々な種類のハイブリッド債務証券も含まれる。例えば、ドイツとスペインの政府支援は、国が銀行の所有者にならないようなハイブリッド証券の形で実行された。
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