Financial Times

米住宅公社にもストレステストを実施せよ

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(2010年7月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

欧州で実施された銀行のストレステスト(健全性審査)の結果公表を受け、資本不足の穴について(そして誰がその穴を埋めるのか、あるいは損失を負担するのかについて)、せわしない議論が出てくるだろう。

 だが、大西洋の反対側では、是非とも議論されなければならないもう1つのブラックホールがある。巨大な住宅公社であるファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、さらには、それらと関連し合っているジニーメイ(連邦政府抵当金庫)や連邦住宅局(FHA)といった米国の巨大な政府支援機関(GSE)におけるブラックホールだ。

膨れ上がる納税者負担、最大で1兆ドルも

 今年は今のところ、GSEの問題は政治的な関心をほとんど集めてこなかった。実際、驚いたことに、バラク・オバマ大統領が先日署名した2300ページに及ぶ金融改革法案も、GSEにはほとんど言及していない。

 だが2008年には、米国政府が「保全管理下」に置くという名目で、ファニーメイとフレディマックを実質的に国有化している。そして、政府はこれまでに1450億ドルの税金を使って、これらの機関を下支えしてきた。これは米国の銀行や自動車業界に直接注入するために使われた血税より多い。

 さらに悪いことに、その金額は今後数年間でまず間違なく増加する。何しろ、ファニーメイとフレディマックが保証する住宅ローンの残高は現在、5兆5000億ドルと、住宅ローン市場全体の半分近くに達しているからだ。

 GSEは、民間のラベルがついた住宅ローン債券も取得している。理論上は、これらは最優良のローンに限られているはずだ。だが実際には、まず間違いなく腐敗したものも含まれている。

 このため、将来納税者が払う金額に関する推測は、3900億ドル(連邦議会予算局=CBO=の試算)から1兆ドル近く(民間部門の一部のエコノミストの試算)まで、大きな幅がある。こうした数字に比べれば、スペインの貯蓄銀行の苦悩はほとんど可愛く見えてくる。

ファニー、フレディ頼みの米国住宅ローン市場

 では、これだけのエクスポージャー(投融資残高)に対する適切な「ストレステスト」を目にする機会をあるのだろうか。あるいは、出口戦略はどうだろうか。

 すぐにその機会があるという見方には与しない方がいい。最近では、民間部門の証券化が実質的に崩壊した状態にあるため、GSEが米国の住宅ローンおよび住宅部門を破綻から守る唯一の存在になっている。例えば昨年は、新規に実行された住宅ローンの10件中9件はファニーメイとフレディマックが引き受けていた。

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