また、海外本社の方針の変更で、日本からの撤退や部門の閉鎖という不運に見舞われることもあるかもしれない。

 ただ、外資系は転職市場が活発で、個人として客観的、汎用的な専門分野を持っているので、どこかに転職先がある。また、そもそも一生同じ会社で安泰ということは望み得ないのだから、違う職場を選ぶ時はいずれ来る。

40代で4000万円の給与も可能

 その時を、自分の選択として若いときから受け入れるのか、限られた選択肢のみで中高年で迎えるのかという違いだろう。自分の選択として受け入れれば、自ずと個人として確立した人材となっていく。

 また、報酬面では、外資系企業は成功を個人に還元する、日本企業では組織でシェアする。外資系では若くして能力を生かして重要な仕事に就き、大きな報酬を得ることができる。

 30代にして役員クラスにたどり着くことも珍しいことではない。年収も20代で2000万円、30代で3000万円、40代で4000万円と増やしていくことも十分可能だ。そうした人たちは、とても手が届かないほど優秀なわけではない。ある程度の能力とセンスのいい努力をすれば、十分望み得る道なのだ。

 外資系企業が職場としてユートピアということは決してない。外資系ならではの苦労、心労も多い。特に、英語や文化の違いは多くの日本人にとって乗り越えなくてはならない壁だ。

 完璧な職場なんてない、うまくやっていくためには、会社に使われるのではなく、会社と対等に付き合うことだ。会社生活も私生活も充実できるよう「楽しく成功」するために、多様な選択肢の中から職場を選択する時が来ている。

(つづく)