(英エコノミスト誌 2010年7月24日号)
米国はあまりに多くの人を刑務所に閉じ込めている。中には、本来犯罪と見なすべきでない行為のせいで収監されている人もいる。
2000年に、4人の米国人がロブスターテイルを段ボール箱ではなくポリ袋に入れて輸入したとして訴えられた。これはホンジュラスの規則に違反する行為だったが、ホンジュラス本国でもこの規則はもはや強制執行されていない。4人は、米国人が狩漁に際して国外の規則に違反することを禁じるレイシー法に抵触したのだった。
レイシー法の本来の意図は、米国人が例えばケニヤでゾウの密猟をしないようにすることにあった。ところがこの法律が、米国人は野生動物に関する地球上のあらゆるつまらない規則を堅持すべきであるという意味に解釈された。
ロブスターを輸入した米国人は、自分たちが違法行為を犯しているとは思ってもいなかった。しかし、4人のうち3人に8年の懲役刑が言い渡され、うち2人は今も服役している。
米国には世界各国と異なる点が数多くある。その多くは長所だ。悪い意味で他国と異なるのが、国民を刑務所に入れることに積極的な点である。米国人の成人100人に1人が鉄格子の奥で無為の日々を送っている(若い黒人男性に限れば、その割合は9人に1人まで上昇する)。
230万人という受刑者の数は、米国の15の州の人口を上回る。世界の先進国で、この「自由の国」ほど懲罰的な国はほかに類を見ない。米国の刑務所収監率(国民の数に占める受刑者の割合)は、英国の5倍、ドイツの9倍、日本の12倍に上る。
誰よりも厳しく
米国の一部地域では、かなり古くから司法に対して厳しく先駆的な姿勢が取られてきた。ところが40年ほど前から、この傾向が先鋭化し始めた。犯罪の増加が感情的な政治問題と化し、有権者が犯罪撲滅を掲げる政治家を支持するようになったからだ。
この状況が、一方的な厳罰化を推し進めることになった。自分をタフに見せたい議員たちは、やはり自分をタフに見せたいと思っているほかの議員が直前に提案したものよりも厳しい法案を提出しなければならない。
犯罪率が下がると、厳しい刑罰が功を奏したとして(実際は人口動態などのほかの要因が大きかったとしても)厳しさが歓迎される一方、犯罪率が上がると、問題を解決するためにもっと厳しい刑罰が求められる。この結果、米国の収監率は1970年以降、4倍に上昇した。
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