米国連邦議会で日本での知名度が高い議員と言えば、下院のマイク・ホンダ議員がトップクラスだろう。慰安婦問題で日本政府を非難する決議案を執拗にプッシュした民主党リベラル派である。日系米人なのに、日本に対しては非常に厳しい政治家でもある。 

 そのホンダ議員が今年の選挙で自党の強力な挑戦者に戦いを挑まれ、全米の関心を集めるようになった。挑戦者がオバマ政権に近い若手ホープであることから、選挙戦の熱気を高めているようだ。日本叩きで知られたホンダ議員が敗北を喫する可能性もある。仮にホンダ議員が破れた場合、その若手ホープは日本にとって味方となるのか、それともホンダ議員同様に敵となるのか。日本側としても注視してよい戦いだろう。

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 2014年11月の中間選挙では大統領こそ選挙の対象とはならないが、連邦議会の上下両院議員が改選される。正確には下院議員435人の全員、上院議員100人のうちの3分の1が改選されるのだ。ちなみに現在、下院では共和党が過半数を制し、上院は民主党が多数派だが、この上院で共和党が議席を伸ばして過半数を握る見通しも語られている。民主党オバマ政権にとってはなんとも避けたい悪夢のシナリオである。

 さて、ホンダ議員が2007年7月に下院本会議が採択した慰安婦決議案の最大推進者だったことは広く知られている。同議員はカリフォルニア州議会の議員だった時代から在米中国系ロビー組織の「世界抗日戦争維護連合会」(以下、抗日連合会と略)の全面支援を得て、慰安婦問題だけでなく南京事件や米軍捕虜問題など日本を糾弾する歴史的課題を取り上げてきた。