(英エコノミスト誌 2014年4月26日号)

バークシャー・ハザウェイを経営してきたウォーレン・バフェット氏の50年間は、企業が築いた最も目覚ましい連勝記録の1つだった。それは一体どのようにして終わるのだろうか?

バフェット氏、バンカメに50億ドル出資

83歳にして、なお現役でバークシャー・ハザウェイの会長兼CEOを務めるウォーレン・バフェット氏〔AFPBB News

 ウォーレン・バフェット氏(83歳)が過去半世紀の間、輝かしい成功とともに経営してきたコングロマリット(複合企業)、バークシャー・ハザウェイ。次の50年間は同社に何をもたらすのだろうか? 

 「それは興味深い質問だ」。バフェット氏は最近、この問題に関するインタビューを断る本誌(英エコノミスト)へのメモの中で、こう認めた。「非常に興味深いので、私は最近、同じテーマを自分自身にアサインしたところで、タイミングを早まりたくない」と述べた。

 だが、バフェット氏は「50年後にランチをともにし、実際に起きたことを予想されたことと比べましょう」と申し出てくれた。

 さらに「私はバークシャーを経営するのが大好きだし、もし人生を楽しむことが寿命を延ばすのであれば、メトシェラ*1の記録は危うくなる」と冗談を飛ばした。本誌はその意気で、バフェット氏の申し出に応じて彼の134歳の誕生日かその前後にランチをともにすることを楽しみにしている。

 だが、保険事業に精通した能力の上にバークシャー・ハザウェイを築き上げたバフェット氏は、保険数理表がめったに嘘をつかないこと、そして同氏が愛する会社が今後50年間に直面する最大の課題が新経営陣への移行であることを知っているはずだ。バフェット氏は既に、自身の代役を務めるのが難しいことを認めており、その仕事を会長、最高経営責任者(CEO)、最高投資責任者(CIO)の3つに分割する計画だ。

 後継問題は決して、バークシャーが直面する唯一の大きな課題ではない。株式時価総額が3140億ドルに上るバークシャー・ハザウェイは現在、アップル、エクソンモービル、グーグル、マイクロソフトに次いで米国で5番目に企業価値が高い上場企業だ。

今年の「資本家のウッドストック」の焦点

 だが、会社が大きくなればなるほど、バフェット氏にその名声――および、数十億ドルの慈善寄付を差し引いた後でも、フォーブスによって世界で3番目に巨額の650億ドルと推定されている富――をもたらしたような魅力的な投資機会を十分に見つけ出すのが難しくなる。そして、ますます多様で複雑なコングロマリットになる中、同社は干渉しないことで有名なバフェット氏の経営スタイルの限界を試し始めている。

 2013年に記録した195億ドルの過去最高益と4月23日に過去最高値を更新した株価は、ネブラスカ州オマハで5月最初の週末に開かれるバークシャー・ハザウェイの年次株主総会がお馴染みの高揚感に包まれることを確実にするはずだ。例年のように、「資本家のウッドストック」と呼ばれる総会は数万人の株主を呼び込むだろう。

 祝賀行事には、コーポレートフィルム(いつも著名人が大勢出演する)、「自分に投資しよう」と題した5キロマラソン、若い頃に新聞配達でお金の一部を稼いだバフェット氏が参加者全員の挑戦を受ける新聞投げ競争などが含まれる。

 だが、バフェット氏と90歳になる長年のビジネスパートナー、チャーリー・マンガー氏が6時間以上にわたり進んで株主や金融アナリスト、ジャーナリストらの質問攻めに遭う間に、会社の成長が最近鈍化していることやバフェット氏の後継問題に関する質問が飛び出すのは間違いない。

 伝説的な「オマハの賢人」はきっと、一番いい時代が訪れるのはまだこれからだと言うだろう。そして、これまでは常にそう証明されてきた。しかし、どんな連勝記録にも終わりは来る。

*1=旧約聖書の創世記に登場する伝説的人物で969歳で死んだとされている