(英エコノミスト誌 2014年4月26日号)

北東アジア諸国間の緊張関係に改善の兆しが見えてきた。

 一見したところでは、日本が東アジアの近隣諸国との緊張関係を改善するのに好都合な状況とは言い難い。4月22日には、日本の国会議員150人以上が、靖国神社の春季例大祭に参拝した。靖国神社には戦死者だけでなく有罪判決を受けた戦犯も祀られている。韓国と中国は当然、激怒した。

日米首脳「すしを語る」、オバマ米大統領来日

東京・銀座のすし店前で安倍晋三首相と握手をする米国のバラク・オバマ大統領〔AFPBB News

 さらに、米国のバラク・オバマ大統領は、日本への公式訪問(日本に続き、韓国、マレーシア、フィリピンを歴訪)の前日、米国大統領として初めて、中国も領有権を主張する無人島群、尖閣諸島は、日米安全保障条約に基づく防衛義務の対象であると明言した。

 オバマ大統領は23日に東京に到着すると、翌日の首脳会談に先立ち、有名なすし店で非公式に安倍晋三首相と会食した。

 関係改善への障壁はほかにもある。自衛隊は19日、日本の最西端にある与那国島でレーダー施設の建設に着手した。また、日本の商船が中国の港で、中国の裁判所の命令に基づき、1930年代に日本が徴用した中国船2隻の代わりとして差し押さえられるという出来事もあった。

 しかし、外交活動は活発化しており、こうしたとげとげしい雰囲気から予想されるよりは建設的な関係へと向かう可能性がある。韓国と中国の首脳は最近まで、日本が戦時中の侵略について既に十分な謝罪を済ませたと考えている国家主義者の安倍首相を相手にすることはできないと述べていた。

 ところが現在では、韓国も中国も安倍首相に探りを入れようとしている。安倍政権側もこれを受け、このまま緊張関係を続けることのマイナス面を認識し始めている。

日韓両国が協調すべき理由

 日本と韓国には、理論上は共通点が多い。両国とも繁栄する民主主義国で、危険な地域に位置する米国の同盟国だ。だが、両国の関係は、安倍首相の2013年の靖国参拝や、首相が日本は過去について謝罪する必要はないと考えていること、また、韓国での極端なナショナリズム的報道により、改善が妨げられている。

 それでも、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は3月下旬、オランダのハーグでオバマ大統領の立ち会いのもと、安倍首相と会談することに同意した。

 朴大統領は日本に対し、歴史問題を再び持ち出さないこと、一方でいわゆる「慰安婦」の問題について誠意を見せることで、友好を示さなければならないと述べている。慰安婦とは、第2次世界大戦中、日本軍にだまされ、または強要されて兵士への性的サービスに従事させられた女性たちのことだ。