(英エコノミスト誌 2014年4月19日号)

世界のために、そして自国のために、中国は都市を建設し運営する方法を変える必要がある。

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猛烈なスピードで都市化が進む中国(写真は上海)〔AFPBB News

 「偉大な都市は偉大な思想の化身だ」。ベンジャミン・ディズレーリはこう言った。「ローマは征服を表している。エルサレムの塔の上には信仰が浮かんでいる。そして、アテネは卓越した古代世界と芸術を体現している」

 中国の役人たちは都市を建設する際、たった1つの偉大な思想を念頭に置いてきた。成長である。それが大きな恩恵を生み、問題ももたらした。

 経済の自由化が始まってから30年間で、中国の都市人口は5億人以上増えた。5億人というのは、米国に加え、英国を3つ合わせた規模に匹敵する。既に中国国民の半分以上が暮らす都市は、毎年、ペンシルベニア州の人口とほぼ同じ数だけ増えている。

 2030年までに都市は約10億人の人々が暮らす場所になるだろう――中国の人口の約70%、そして恐らく全人類の約8分の1だ。中国の運命、そして共産党の運命は、都市の安定によって決まるだろう。

 起きたことの大半は、息をのむほど素晴らしい。1990年代まで19世紀の面影をわずかに残す、活気のない共産主義時代の無秩序な都市だった上海は、ジェームズ・ボンド映画の国際的な舞台として使われた。2000年以降、人口が50%増えた成都は、ショッピングモールや長さ300メートルの屋内人工ビーチを擁する世界最大の単体ビル「新世紀環球中心」を誇る。

 鄭州市は今、世界最長の高速鉄道の駅を持ち、24億ドルかけて建設した巨大施設と周辺エリアはサッカー場340面分に及んでいる。中国の都市生活者は、6年前には存在していなかったが今では欧州全体の高速鉄道網より長い高速鉄道網の上を時速300キロで都市から都市へ飛び回る。2020年までに、この高速鉄道網はさらにあと3分の2、距離にして7000キロ拡張され、人口50万以上のすべての都市がこの鉄道網につながれる。

外観にひび

 だが、この短兵急な都市化のモデルは崩壊しつつある。政府でさえ、それを認識している。李克強首相は3月、中国の都市を覆う有害なスモッグを「非効率で闇雲な開発モデルに対する赤信号の警告」だと表現した。

 世界銀行と中国政府のシンクタンクは、中国の都市部に関する544ページの報告書を作成したところだ。報告書は、都市の貧困やみすぼらしい生活、失業といった発展途上国世界で一般的な病理を回避したとして中国を称賛している。だが報告書は、「歪みが現れ始めており」、このモデルは「活力を失いつつある」と述べている。

 これらの歪みをもたらしているのは、中国の都市化モデルの2つの欠陥だ。