(英エコノミスト誌 2014年3月29日号)

ロボットの侵略に備えよ。ロボットはいずれ、技術に対する人々の考え方を変えるだろう。

中古車部品で「トランスフォーマー」、高値で売れるものも 中国

ロボットという概念が大きく変わろうとしている〔AFPBB News

 ロボットがこの世に登場したのは、20世紀初めのことだ。自動車や電話、飛行機が向こう見ずなジャズ・エイジのスピードに乗って急速に進歩していた当時、ロボットは、作家や映画製作者が技術というものに対する希望や恐れを掘り下げるための文学上の装置だった。

 フリッツ・ラングの『メトロポリス』やアイザック・アシモフの『われはロボット』から、映画『ウォーリー』や『ターミネーター』、そしてその間に生み出された無数の同種の作品は、その役割を見事に果たしてきた。

 ページ上やスクリーン上から現実の世界へ移ってからのロボットは、やや期待外れのものだった。確かにロボットたちは、火星探査などの人間にはできないいくつかの仕事と、不発弾処理や床の掃除といった人間があまりしたがらない多くの仕事をこなしている(約1000万台ものロボット掃除機が世界中の絨毯の上を動き回っている)。

 ロボットは製造業の各所でも大いに役に立っている。だが、信頼性の高いロボット――特に工場の安全ケージの外で働く必要のあるロボット――を作るのは、簡単ではないことが分かっている。そのうえ、ロボットはまだ、かなり頭が悪い。従ってロボットは、人々を魅了してはいるものの、まだ世界に大きな足跡を残してはいない。

 だが、その状況も変わりそうな兆しが見えている。シリコンチップやデジタルセンサー、広帯域通信の性能の急激な進歩が、ほかのあらゆる製品と同様、ロボットも進化させている。それに加えて、今週の本誌(英エコノミスト)の特集でも触れているように、さらに3つの要因が働いている。

 1つ目は、ロボット工学分野の研究開発が容易になっていることだ。新たな共通規格のおかげで、優れたアイデアを別のロボットプラットフォームへ簡単に移植できるようになった。また、ノウハウの蓄積により、そうしたプラットフォームの構築にかかる費用も以前よりずっと安価になっている。

 米リシンク・ロボティクスの「バクスター」は、2本の腕と極めてシンプルで直観的なプログラミングインターフェースを備えたロボットだ。このようなロボットは、10年前ならほとんど想像もできなかっただろう。いまや、2万5000ドルでこのロボットを買うことができる。

C3 IPO

 第2の要因は、投資だ。2013年最大のロボット関連ニュースは、米グーグルが、ロボット分野の有望な新興企業8社を買収したことだ。

 潤沢な資金と優れたリーダー(モバイル基本ソフト「Android=アンドロイド」の生みの親であるアンディ・ルービン氏)を擁し、クラウドコンピューティングと人工知能という、いずれもロボットと極めて関連性が高い最先端の専門技術を利用できるグーグルのロボットプログラムは、目を見張るような何かが生まれる可能性を約束している。もっとも、同社の外には、それがどんなものになるかを知る者は誰もいない。