“資源大国日本”がリードする次世代繊維

豊かな森が生み出す最先端素材に先進国が熾烈な開発競争

2014.03.28(金) 藤原 秀樹
    http://goo.gl/P114dW
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 この“スパゲッティ”のセルロースナノファイバーの分野では、京都大学生存圏研究所・生物機能材料分野の矢野浩之教授のグループが世界をリードする研究を行っている。

 一方の、“ご飯”のナノクリスタリンセルロースでは、東京大学大学院・農学生命科学研究科の磯貝明教授のグループがTEMPO酸化という方法を用いた研究でこれまた世界をリードしている。

 日本の強みは、大学の基礎研究のみならず、それと密接にリンクした企業間の応用研究が行われる点である。しかし、前に述べたように、カナダ、スウェーデン、フィンランドそれに米国も鋭意研究を進めており、予断は許されない。

 2013年のマルクス・ヴァレンベリ賞は、デレク・グレイ教授の「ナノクリスタリンセルロースの先駆的な研究」に対して贈られたわけであるが、これは実は異例なことなのである。

 なぜなら、マルクス・ヴァレンベリ賞は従来、完成され実証された技術に授与されるものであり、可能性に対して贈られるものではないからである。それだけ、この技術に対する期待が大きいことを物語る。

「目立たない」ことが家訓のヴァレンベリ家

STVドキュメンタリー「ヴァレンベリ家」

 さて、マルクス・ヴァレンベリ賞を主催するヴァレンベリ家であるが、あまり派手なことは好まないようである。

 マスコミに一族のことが報道されるのは稀である。日本に紹介されることもほとんどない。何しろ、その家訓が「存在していても、目立たぬように」なのだ。

 その内情がインタビューとともに公にされたのが、SVT(スウェーデン・テレビ:公共放送局)2007年作成の3時間にわたるドキュメンタリー「ヴァレンベリ家(Wallenbergs)」である。

 残念ながらスウェーデン語版しかない。筆者はスウェーデン語の字幕を抽出して英訳、それをもう一度和訳した後、再度画面に埋め込んで日本語版を作って、内容を理解した。残念ながら、これは当然非売品であるが・・・。

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藤原 秀樹 Hideki Fujiwara

 

カーボンニュートラル資源研究所 代表

慶応義塾大学工学部卒・同大学院修了後、十條製紙(現・日本製紙)入社。

米国・ウェスタンミシガン大学留学。工学博士。

日本製紙・取締役・研究開発本部長、関係会社役員を歴任。

TAPPIフェロー(米国紙パルプ技術協会名誉会員)、TAPPI 塗工部門技術賞 (アジア初)

東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部・非常勤講師、タイ国アジア工科大学院・客員教授

米国紙パルプ技術協会・国際研究管理委員会 委員(副委員長)
マルクス・ヴァレンベリ賞(スウェーデン)選考委員会・アジア地区大使を経て、現在は選考委員会のシニアアドバイザー

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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