(英エコノミスト誌 2014年3月15日号)

クリミアを取り戻す最善の方法は、ウクライナが欧米の援助を得て、繁栄した民主主義国家になることだ。

ウクライナ大統領代行、クリミアめぐる「ロシアの筋書」拒否 AFP独占取材

クリミア半島のセバストポリ市に掲示された、クリミアのロシアへの編入の是非を問う住民投票に関するポスター。「3月16日にわれわれは、このどちらかを選ぶ」と書かれた文字と共に、ドイツナチスのシンボルだったかぎ十字と鉄条網、そしてロシア国旗の色にデザインされている二つのクリミア半島の地図が描かれている〔AFPBB News

 重要なのは投票ではなく、集計だ――。ヨシフ・スターリンはかつてこう述べたことがある。

 3月16日にクリミア自治共和国で行われる非合法な住民投票では、バラクラバ帽(ウールの目出し帽)を被り、カラシニコフ自動小銃を抱えた男たちと、あきれるほど歪められた投票用紙も一定の役目を果たすかもしれない。

 クリミア半島を制圧した精鋭部隊はただの地元ボランティアだとするウラジーミル・プーチン氏の現実離れした主張のように、住民投票は笑えるような出来事だ――プーチン氏の侵略のように、恐ろしいほどリアルでなければ。

 このインチキな住民投票の基本的な結果ははっきりしている。ウクライナからの離脱を決める、不正操作された決定だ。

 欧米にとって、そしてキエフの当局者にとって問題は、この結果にどう対応するか、だ。これに対する答えは、2つの部分から成る。欧米は、事実上、主権国家ウクライナの領土の強奪に当たる行為を非難する際、厳しい態度を取らなければならない。これまでよりずっと強硬に非難しなければならない。しかし、ウクライナ国民自身は辛抱強くあるべきだ。

プーチン氏の出方は読めないが・・・

 14年間ロシアを統治してきた気まぐれな独裁者のことだから当然そうかもしれないが、プーチン氏の次の動きは予測不能だ。同氏は正式にクリミアをロシアに編入しようとするかもしれない。ロシア議会は、その非合法な領土強奪への地固めをしている。あるいは、プーチン氏は待つことにし、クリミアが曖昧な非国家として苦しむに任せるかもしれない。

 いずれにせよ、ウクライナを侵略し、インチキな住民投票と「ゴブリン(クリミアのクーデター活動の腹黒い指導者、セルゲイ・アクショノフ氏の呼称)」の両方を認めることで、プーチン氏は国際法を踏みにじり、冷戦後の世界秩序を覆した。

 米国はビザの発給禁止や資産凍結を通じ、一連の違法行為に対してロシアを罰し始めたが、それよりはるかに厳しい対策を講じ、プーチン氏のノーメンクラトゥーラ(共産貴族)全体とクレムリンと関係する企業を包囲すべきだ。