(英エコノミスト誌 2014年3月8日号)

デンマーク企業のレゴはいかにして世界で最もホットな玩具企業になったのか。

ファン必見!レゴ尽くしのホテル、米カルフォルニア

デンマークのレゴの本社は人口6000人あまりの小さな街にある〔AFPBB News

 どこに行ってもレゴ関連の大騒ぎに出食わさずには済まなくなってきた。3週間にわたって全米第1位の興行成績を記録した映画「LEGOムービー」は、その翌週も第2位につけた。

 店頭には映画に関連したレゴのモデルキットが山積みになっていて、ただでさえ膨大な量に上るレゴブロック――地球上のすべての人が1人当たり86個持っている計算――をさらに増加させることになる。

 レゴは過去10年にわたって驚異的な成長を謳歌し、売上高を4倍近くに膨らませた。2012年にはハスブロを抜いて、世界第2位の規模を誇る玩具メーカーになった。首位のマテルは今、レゴからの挑戦をかわすために「メガブロックス」を生産しているカナダメーカーの買収を画策している。

破綻しかけた後の10年間の驚異的成長

 これは多くの理由から目覚ましい偉業だ。レゴの故郷であるデンマーク農村部のビルンドはとても小さな町で、同社がホテルを建てなければならなかったほどだ――驚くまでもないが、エレガントなホテルだ。

 また、玩具ビジネスは世界で最も難しい事業の1つであり、常に流行に左右され(ビーニーベイビーズを覚えておいでだろうか?)、現時点では技術革新に大きく揺さぶられている。子供たちはかつてない早さで成長し、現実世界を捨ててバーチャルな世界に乗り換えている。

 挙げ句の果てに、レゴは何年も漂流し、あまりに多くの分野に多角化し、あまりに多くの商品を作り、絶望に駆られてレゴブランドの服や時計を生産する「ライフスタイル」企業になろうとさえした末に、2003~04年には破綻しかけた。

 10年に及ぶレゴの成功が始まったのは、ヨーン・ヴィグ・クヌースストープ氏を最高経営責任者(CEO)に任命した時のことだ。これは危険な賭けだった。というのもクヌースストープ氏は当時35歳の若さで、会社経営ではなく、マッキンゼーの経営コンサルタントとして経験を積んできた人物だったからだ。

 だが、この人選は見事だったことが判明した。クヌースストープ氏は、レゴはブロックに立ち返らなければならないとの判断を下した。中核商品に集中し、ブランドの拡張など忘れ、テーマパークも売却するということだ。さらに同氏は、より厳しい管理体制を敷き、例えば1万2900種類あったレゴブロックを7000種類まで削減した。