経営のためのIT活用実学

「有能」すぎて閉じ込められるITスタッフの悲劇スキルの分析で長すぎる常駐から解き放て

2014.03.19(水)  横山 彰吾

 まず、常駐者の中には「ユーザー部門の人と話をしない」「会議にも呼ばれない」という人がよくいる。これでは全く意味がない。

 ユーザー部門のメンバーで話し合って決まったことを常駐者に伝え、それを実現してもらうだけ。常駐する側も、「こうすべきだ」と専門的な見地から提案するというよりも、「決めてくれればやります」というスタンス。これでは現場にいる意味はなく、派遣元の上司の目から逃れてパラダイスを満喫しているだけである。筆者の知るある会社では、しばらくの間、名前すら覚えられなかったような人もいた。

 また、しっかりと業務に加わって一員として認めてもらい、そつなく業務をこなしていたとしても、システム部門にとって望ましくないケースもある。それは、専門家になりすぎてしまう場合だ。

 そこで使っているシステムについて知識が豊富で、コミュニケーションも優れる人がいるとなると、業務側としては非常に便利である。「やりたいことをぼんやり伝えるだけで形にしてくれる」「システム部門にも文句を言われないツールを選定して実現してくれる」「外部のベンダーとの言葉の通じないやりとりもそつなくこなしてくれる」──。ここまで揃えば実に有用だ。手放したくなくなるのも当然だろう。

 システム部門にとっても、業務の話ができる人が育ってくれれば重宝するだろう。何より業務部門の信頼を得られることが先々のことを考えると実に貴重なことだ。

 しかしその常駐ITスタッフが、そこで「5年以上」働いているとなると危険信号だ。なかには「入社以来ずっとここです」「20年間このシステム一筋です」「この部門での仕事がライフワークです」といった答えが返ってくることもある。ここまで来るともう当初の枠組みとは別の世界である。いっそ異動を勧めた方がいいだろう。

 なぜなら、それは、「あまりに詳しくなりすぎて代わりがいない」という状態でもあり、その人自身が「つぶしが利かない」ということでもあるからだ。そこでの業務しかできないようでは、システム部門の本当の戦力を育てたことにはならない。

 ある部署のITを担当させたら必ず他部門を経験させる…

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