今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(2月23日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、集団的自衛権の行使容認をめぐる憲法解釈の見直しを取り上げたほか、みんなの党や日本維新の会が目指す政界再編の動きなどについて解説した。

集団的自衛権の行使容認をめぐる自民・公明両党の見解

中山 安倍(晋三)首相が、集団的自衛権の行使容認をめぐる憲法解釈を見直す際は、与党との協議も踏まえて閣議決定する考えを示したことについて、国会内で議論が続いています。

 自民党の石破(茂)幹事長は記者会見で「内閣の意思として見直しを確定するためには、閣議決定というプロセスが最低限必要だ」と述べたうえで、集団的自衛権の行使容認に慎重な姿勢を示している公明党との調整を進める考えを示したそうです。

 一方、公明党の井上(義久)幹事長は「閣議決定ありきではない」と述べ、解釈を変更する際の手続きも含めて、与党内で協議すべきだという考えを強調したと伝えられています。

 井上幹事長の指摘は当然だと思います。第2次安倍内閣には、太田(昭宏)国土交通相など公明党から入閣した大臣がいますが、自公の連立与党の中で閣議決定をするには全員一致が前提です。

 そのためには与党内でプロジェクトチームを組んだり、専門性の高い議員が話し合う場を設け、可能な限り閣議決定の前に議論を煮詰める必要があります。

 ニュースだけを読むと、石破氏と井上氏の主張が相容れないように思えるかもしれませんが、与党内でしっかりと協議を行うその先に閣議決定があるのならば、両氏の認識に齟齬はないでしょう。

 また集団的自衛権をめぐっては、さまざまな国民的議論があるはずです。昨年成立した「特定秘密の保護に関する法律(特定秘密保護法)」の時もそうでした。

 昨年の特定秘密保護法成立をめぐっては、審議が拙速だという意見や、廃案を求めるデモ隊のシュプレヒコールが国会周辺で起こりました。その一因として、政府の説明不足が挙げられます。

 そうした反省も生かし、今後は主権者である国民に丁寧に説明し、理解を得ることがとても大事です。

 いま日本一国だけで自国の防衛を行うことは難しくなりつつあります。同盟国と関係を強化しながら集団で対応すること、そして戦争のリスクを回避するために多国間で連携することがより重要ではないでしょうか。

 課題は山積していますが、自民・公明両党がしっかりと調整を重ねるべきだと私は思います。