(英エコノミスト誌 2014年2月22日号)

スコットランドの独立を巡る住民投票は欧州の政治にどのような影響を与えるのか。

スコットランド、独立問う住民投票実施で英政府と合意

2012年10月、英スコットランド・エディンバラのスコットランド行政府庁舎で、スコットランド独立の是非を問う住民投票の実施を決めた合意文書の署名後に握手するアレックス・サモンド首相(左)とデビッド・キャメロン英首相〔AFPBB News

 英国のデビッド・キャメロン首相は、欧州連合(EU)加盟条件を巡るEUとの再交渉を要求したが、それで味方についた国はほとんどなかった。だが、キャメロン首相を称賛している場所が1つだけある。スペインのカタルーニャ自治州だ。

 といっても、キャメロン首相がEU加盟継続の是非を問う国民投票を実施しようとしているからではない。スコットランドが英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)からの独立の是非を問う住民投票を今年9月に実施することを容認したからだ。

 カタルーニャ自治州政府は、11月にスペインからの独立を巡る住民投票を実施する方針を打ち出したが、スペインのマリアノ・ラホイ首相は投票を阻止すると明言している。カタルーニャの民族主義者に言わせれば、これは英国には民主主義が深く根付いており、スペインには独裁主義が根強く残っていることの証しだという。

 ロマンチストなら、スコットランドとカタルーニャの運命に共通点を見いだすだろう。どちらも18世紀初頭に強大な王国に併合された小国で、現在、独立を求めている点も同じだ。

 英国とスペイン以外の政府も、神経質になっている。スコットランドかカタルーニャが独立したら、スペインのバスク自治州やベルギーのフランドル地方、フランスのコルシカ島、さらにはドイツのバイエルン州さえも独立しないとは限らないではないか?

分離独立の流れに警鐘鳴らすEU

 そうした分離の可能性がある地域に対して、EUの首脳は徐々にあからさまな警告を発するようになっている。

 昨年12月、カタルーニャが住民投票の実施日を決めたその日にマドリードで演説をした欧州理事会のヘルマン・ファンロンパイ議長は、分離独立した地域は例外なく新しい国家として扱われ、EUの各条約はもはや適用されないと述べた。そうした「第三国」がEUに加わりたければ、改めて加盟申請をしなければならないという。

 ファンロンパイ議長はベルギーの元首相であり、フラマン語(フランドル地方の言語)を話し、地域的対立が根深い自国について統一を保つべしと語ってきただけに、この見解にはいっそうの重みが加わる。

 2月半ばにロンドンを訪れた欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、さらに痛烈な一撃を見舞った。スコットランドがEU加盟について他の加盟国28カ国の同意を取りつけるのは、「不可能ではないにせよ極めて難しい」だろうと発言したのだ。