(英エコノミスト誌 2014年2月22日号)

派手なインフラは地方政府の大盤振る舞いを示す一例だ。結果的に借金を最も大きくしてしまった省はどこか?

 中国の省の行政機関はよく「地方」政府と呼ばれる。しかし、この言い回しは実態に即していない。例えば広東省は1億500万人以上の人口と1兆ドルを超す域内総生産(GDP)を誇る。広東省より人口が多い国は世界で11カ国(中国自身を含む)しかなく、経済規模で広東省を上回る国も15カ国しかない。

 同じく目を引くのは、省が抱える債務の大きさだ。2013年末、中国審計署(監査院)は、地方政府の債務残高が昨年6月末までに10兆9000億元(1兆8000億ドル)に達し、様々な債務保証を加えると17兆9000億元に上ったと発表した。この数字は中国のGDPのほぼ3分の1に相当する。言い換えれば、中国の「地方」債務は、国民の負担、そして国際的な懸念材料になるほど急速に膨れ上がったのだ。

 この監査報告書は地方債務問題の大きさを記録したが、問題の所在地についてはほとんど明らかにしていない。債務はすべて、総計の全国レベルで議論された。非難もしくは称賛の対象として名前を挙げられた省はない。

省の監査報告から見えてくる構図

 しかし、ここ数週間で、ほぼすべての省レベルの地方政府が独自の監査結果を発表している。その情報は、問題を浮き彫りにすると同時に、問題の解決にも役立つかもしれない。原則として、最も見通しが甘い省政府は世間の厳しい目を向けられる。財政の恥は、財政不安を未然に防ぐ一助となるかもしれない。

 しかし、債務負担が最も重い省を特定することは、思うほど簡単ではない。数字は様々な方法で切り刻むことができる。沿岸地帯に位置する江蘇省(上海の北に隣接)と広東省(香港の北に隣接)の債務残高が最も大きく、2省合計で地方債務全体の14%を占める。だが、両省は全国最大の経済規模も誇り、中国全体のGDPの19%を生み出している。

 経済規模と比較した場合、最も大きな債務負担を負っているのは、貧しい西部の雲南省、青海省、甘粛省、並びに莫大な公共投資で名高い西部の直轄市、重慶だ(表参照)。

 しかし、一番大きな財政の溝を横断しなければならないのは貴州省だ。2013年6月末時点で、同省の債務残高は、それまでの4四半期合計のGDPの80%超に相当していた。

 こうした数字には、中国の地方政府が自ら借り入れた債務と、地方政府が保証した他機関の債務の両方が含まれる。他機関の債務は明確に保証されていることもあるが、多くの場合は暗黙の保証だ。

 2012年末時点で、重慶市は市のGDP比18%相当の債務を明白に保証していた。一方、甘粛は省のGDPの20%相当の債務に暗黙の政府保証を与えていた。