(英エコノミスト誌 2014年2月1日号)

国外での成功と冬季オリンピックがロシアを強く見せている。だが、重要なところで、ロシアは弱い。

プーチン大統領、反同性愛法批判に「エルトン・ジョンは好き」

1月19日、冬季オリンピック開催地の措置で国内外の報道陣の取材に応じるウラジーミル・プーチン大統領〔AFPBB News

 2014年冬季オリンピックの招致レースに勝利した直後の2008年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「ついにロシアが強国として世界の競技場に復帰した――他国が注目し、独り立ちできる国として」と宣言した。

 そのオリンピックが来る週末に開幕を迎える。1980年のモスクワ夏季五輪以来となるロシアでのオリンピックだ。

 プーチン大統領たっての要請で、今回のオリンピックは冬季五輪には不向きな亜熱帯性気候の保養地ソチで開催されることになっている。ロシア政府はオリンピック開催のために500億ドルを費やした。その額は2012年ロンドン五輪の4倍に上る。

 大きなポスターが「ロシア――偉大で、新しい、開かれた国!」と称えている。国有銀行のズベルバンクは「今日はソチ、明日は世界」という、どことなく不穏な標語を掲げている。

この1年は国際舞台で存在感を高めたが・・・

 このスポーツの祭典までの1年は、プーチン大統領にとって上々の年だった。国内では、2012年の同氏の大統領復帰に対する大規模な抗議運動を鎮圧した。強力なライバルがいないことに自信を深め、2003年に投獄したオリガルヒ(新興財閥)の実業家ミハイル・ホドルコフスキー氏と、大統領批判を展開した女性パンクバンド「プッシー・ライオット」のメンバーを釈放した。

 国外では、国連安全保障理事会で拒否権を発動して、シリアへの軍事介入という欧米の主張を退け、その代わりに、化学兵器に関する協定をとりまとめ、シリア和平会議を後押しした。プーチン大統領の盟友である残忍なバシャル・アル・アサド大統領は権力の座にとどまっている。

 アフガニスタンでの北大西洋条約機構(NATO)の軍事行動が、30年前にソビエト連邦を苦しめたアフガニスタン紛争に劣らず困難で思わしくない状況に陥っていること――そしてずっと長引いていること――も、プーチン大統領を元気づけている。プーチン大統領は防衛費の増強にも乗り出した。

 さらに、カネの力と脅しを駆使してウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を説き伏せ、欧州連合(EU)との間で進められていた連合協定の締結を見送らせた。これで欧州の外交官たちの面目は丸つぶれになった。