(英エコノミスト誌 2014年1月11日号)

フランソワ・オランド大統領は改革を口にしている。改革は大統領にとってもフランスにとっても利益になるため、断行すべきである。

仏憲法会議、高額報酬への75%企業課税を承認

フランスのフランソワ・オランド大統領は改革を断行できるか?〔AFPBB News

 欧州の弱さは周縁国で最も顕著だった。ギリシャ、ポルトガル、スペイン、そしてイタリアといった国々だ。

 だが、いくつかの尺度では、フランスの方が悪い状態にある。欧州連合(EU)加盟国のうち、過去25年間でフランスより成長が鈍かったのはイタリアだけだ。フランスの財政赤字はイタリアのそれより大きく、経常赤字はユーロ圏で最大だ。

 しかし、何より痛ましいのはドイツとの対比だ。1999年のユーロ創設以降、フランスの1人当たり国内総生産(GDP)は年間0.8%しか伸びていないのに対し、ドイツは1.3%伸びた。ユーロ創設当時、ドイツを下回っていたフランスの単位労働コストは現在、ドイツより高くなっている。

壊れた独仏エンジン

 当時ドイツの輸出額の60%近くに相当したフランスの輸出額は、今ではドイツの40%にも満たない。フランスの失業率は11%に迫り、16年ぶりの高水準にある。一方、ドイツの失業率は5%を若干上回る程度で、20年ぶりの低さを記録している。また、ユーロ圏の大半が今では成長しているのに対し、フランスは再び景気後退に入りつつある可能性がある。

 こうした脆弱性は、ユーロ再建に向けた努力を台無しにしている。通常はEUの原動力として機能する独仏エンジンが故障しており、フランスが改革できずにいることは、単一通貨の強化に欠かせない取り組み――例えば銀行同盟の創設など――に対する反発を招いている。

 ドイツの納税者は、どうして自分たちのカネを使って、改善されないフランスの慣行を支えなければならないのか、と問うている。

 こうした状況に対し、2012年半ばからフランス大統領を務めるフランソワ・オランド氏(社会党)が取ってきた対応策は、今のところ実を結んでいない。過度な緊縮に対して当初同氏が示した反対は、何の成果も生まなかった。オランド氏は公共支出(GDP比57%でユーロ圏の中で最も高い)を削減する代わりに、高額所得者に対する75%の給与税課税を含む増税に踏み切った。

 オランド氏は他国で実施されている適切な年金改革の代わりに、掛け金の拠出期間をわずかに延長しただけだ。また、周縁国で実施されている抜本的な構造改革に倣うどころか、オランド氏は労働市場および製品市場の自由化と、先進国クラブである経済協力開発機構(OECD)の中で最も高いフランスの社会保障支出の削減に辛うじて着手したばかりだ。

 そのような生ぬるい取り組みは、オランド氏に何ももたらさなかった。世論調査では同氏は現在、第5共和政で最も人気のない大統領になっており、若者の多くは国を出ることを考えている。