(英エコノミスト誌 2014年1月4日号)

世界経済の成長に関する朗報は、金利を押し上げ、政治家の改革意欲を削いでしまう恐れがある。

 金融危機が終息してからほぼ毎年のように、年初になると米国の予測筋の間ではバラ色の予測が披露される。2014年も例外ではない。

 株式市場は上昇し、消費者信頼感も改善する中で、2014年に向けた成長予測は引き上げられている。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500株価指数は、2013年に30%上昇し、過去最高水準にある。これはここ20年ほどの間で最大の年間上昇率だ。

 米国に牽引され、全世界の成長率も購買力平価(PPP)ベースで4%近くに達する可能性も見えてきた。これは2013年より1ポイント近く速い成長ペースであり、ここ数年で最高の数字だ。

 しかし、新年の祝賀ムードの最中で、思い出してほしいことが1つある。金融危機が起きてからほぼ毎年のように、楽観的な予想は裏切られているということだ。そして今回、最大の危険は楽観主義そのものだ。

緩む財政

 世界中の先進国では、状況が改善しているように見える。英国は成長のペースを上げている。日本経済は間近に迫る消費税の引き上げを乗り越えられそうな程度には力強く見える。欧州でさえも、見通しにこれまでほどの暗さはない。ただし、こうした回復を牽引しているのは米国だ。

 米国の成長には強固な基礎がある。第1に、家計や企業のバランスシートが良好だ。民間の債務がほとんど減っていない欧州と異なり、米国は金融危機の遺物と既に決別している。住宅価格の回復がその証拠だ。

 第2に、エネルギー価格が安く、数年にわたって賃金が抑制され、ドルが比較的弱いおかげで、米国には競争力がある。この2つの要因によって雇用が速いペースで拡大しており、株価の上昇とあいまって、今後は個人消費の堅調な伸びと投資の増加につながると見られる。

 最後に、財政緊縮が緩和の傾向にある。2013年、連邦政府の増税と歳出削減により、国内総生産(GDP)は1.75%抑えられた。成立したばかりの予算決議によれば、2014年は財政緊縮の影響がGDP比0.5%まで減る見込みだ。これらすべてを総合すると、2014年の米国経済はトレンド成長率をはるかに上回る約3%の上昇を見せる可能性がある。